「安易に補助金を貰うな」経営のプロが指摘する企業の発展を妨げるワケ

 

補助金の責任

いえ、言いたいのは、安易な気持ちで補助金は貰ってはいけないということです。貰うならば、覚悟を持って手にして欲しいと思っています。

どんな覚悟でしょう。

50万円の補助金を貰ったならば、出来るだけ早い時期に50万円を超える税金をプラスして、国に納めることです。

そのためには、50万円の純利益に相当する売上をあげなければいけません。たとえば、補助金でECショップを立ち上げたら、そこから相当の売上を上げるといったことが必要です。そうした覚悟があれば、補助金はムダにはなりません。

そして、もう一つの覚悟があります。

補助金を申請するときには「事業計画書」の提出を求められることでしょう。その計画書を有効に活用することが大切です。

計画書は「形」だけで作られたものであってはいけません。計画書は、本来自力で利益を上げていくためのものです。その計画を行政に提出しました。売上計画も利益計画も立て、その達成方法を考えたはずです。

補助金を貰ったら、その計画書をそのままにしておくことがあってはいけません。その後、一度も計画書を見たことがないということではいけません。

つまり、補助金を貰った以上、事業計画を達成させる覚悟が必要なのです。数百万円、数千万円の補助金なら、なおさらです。補助金を貰ったお店や企業には、それだけの責任があります。コロナ禍で、行政に助けられたお店も同じことです。いつかは、そのお金を返すという気持ちが必要ではないでしょうか。

ところが、一度補助金を貰ってしまうと、また次の補助金に頼ってしまう気持ちも生じます。こうなると、経営に必死さが失われていくのです。ですから、補助金を貰うことで、どんどんと体力が奪われて行くこともあります。

そんなことが無いように、補助金を貰うならば、強い覚悟をもって経営に当たりましょう。

■今日のツボ■
・国は中小企業への補助金をいくつも用意している
・補助金は費用ではなく、純利益である
・補助金を貰うならば、強い覚悟を持つことである

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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