野党・国民民主が自民急接近で“連立入り”狙う?異例の予算案「賛成」にネットも困惑

2022.02.24
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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今夏の参院選挙に向けてさまざまな動きが出てきた永田町周辺だが、中でもマスコミや国民を驚かせたのが、野党「国民民主党」(代表:玉木雄一郎)の新年度当初予算案「賛成」の一幕だろう。一体、何が裏で起きているのだろうか。

去る22日、予算案が衆院を通過した。かつての政権与党である「民主党」から「立憲民主党」と別れる形で誕生した「国民民主」だが、野党が政府・与党の予算案に賛成を表明するのは異例中の異例だ。一部では、自民党に合流し、自公連立に加わろうとしているのではと囁かれているが、これもあながち嘘だとは言えないのではないか。

同日夕方、御礼を述べに国民民主の控室を訪れた岸田首相と玉木代表がひじタッチをしてみせるパフォーマンスを報道陣の前で披露したが、この様子にア然とした野党関係者、野党支持者も多かったことだろう。

国民民主側が予算案の「賛成理由」としてあげるのは、ガソリンの価格が高騰してしまった際に減税ができるという「トリガー条項」の凍結解除だが、岸田首相は「検討」と口にしている段階であり、これを賛成理由にするのは無理がある。国民民主が昨秋の衆院選でも公約に掲げていた「トリガー条項」が凍結解除されなかった場合、国民民主が「賛成」に回ったことはマイナスに働く可能性もある。

同日、玉木代表はこの件について岸田首相と直接電話協議したことを明かしているが、その裏には別の「口約束」があったと考えるのが普通だろう。それは、予算案に賛成を表明すれば、連立与党に迎え入れる、もしくは自民党に吸収される形か、いずれかの方法による「与党入り」ではないだろうか。「トリガー条項」云々は、そのことを煙に巻くためのカムフラージュととらえることもできる。

今回の「野党の予算賛成」の一件を、今まで与党に一番近い野党と言われてきた日本維新の会はどう見ているのだろうか。いや、おそらく与党に近いと言われる維新でさえ「予算案に賛成」を表明することはリスキーと考えているだろう。24日、維新の松井一郎大阪市長は定例会見の後で、記者からの「国民民主の予算案賛成をどう思うか」という問いに答え、「(賛成するということは)玉木さんも連立入りを目指しているということだなということがひしひしと伝わってきた」と述べた。

維新と国民民主は連携すると見られていたが、今回の異例の賛成を受けて、松井氏はその可能性を否定。もしかすると維新には「国民民主に抜け駆けされた!」という思いもあったのかもしれないが、今や立憲民主党を超えて野党で一番の政党支持率を誇る維新としては、まさか自公政権に合流したかったなどとは口にもできず、「(維新は)今の野党をピリッとさせる野党だ」(松井氏)と答えるしかないだろう。

今回の国民民主の「予算案賛成」について、ネット上には疑問の声や失望の声、裏の意図を深読みする声などがあがっている。

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