マスメディアが創ったウクライナ侵攻の「物語」に乗せられる世界の人々

Flag of Russia on military uniform and flag of the Ukraine at background. Russia VS Ukraine.
 

ところが、ここでとんでもないニュースが浮上してきました。それは、英米欧州が、ロシアへの制裁措置として、ロシアを「スイフト(SWIFT:国際銀行間通信協会)」から排除すると決定したことです。

「スイフト」から排除されると、ロシアの企業は他国の企業と取り引きをする際に、ドル建ての送金や決済ができなくなるのです。

制裁は当面一部のロシアの銀行に限られるようですが、日本をはじめとする世界中の企業が、その銀行を使っているロシアの企業との間で商売や取り引きができなくなります。更に制裁の範囲が他の銀行にも拡がれば、ロシアは世界の金融システムから閉め出されてしまいます。

これはロシアの側への制裁となるばかりでなく、ロシアと取り引きしている世界中の企業に対しても大きな損害をもたらします。ですから、スイフトからの排除は「金融の核爆弾」と言われてきました。

抜け目のないプーチン大統領は、この「核爆弾投下」に供えて、中国の習近平国家主席との間で、天然ガス取り引きの約束を取り付けています。

それは、北京オリンピックに出席した時の二人の会談で決まりました。欧州諸国に売れなくなった天然ガスを中国に買ってもらうというわけです。ロシアと中国の間では、スイフトを通さず、人民元やルーブルで決済することができます。

ところが、欧州の各国、特に天然ガスの40%をロシアに依存しているドイツは困ってしまいます。

原発を全て止めてしまい、「脱炭素」の掛け声に乗って石油からの脱却まで本気でやって来たドイツは、頼みの綱の天然ガスを失うことで、エネルギー危機に追い込まれます。

エネルギーコストが急増するだけでなく、絶対量が不足して停電が起きるでしょう。もちろん、暖房もストップしてしまいます。

ですからドイツは、「スイフトからの排除だけはやめてくれ」とバイデンに頼みました。しかし、結果はとんでもないことになりました。

そんなわけで、評論家の中には、米英、というよりはロスチャイルドやロックフェラーたちの狙いは、プーチンの排除だけではなく、もうひとつ、「ドイツ潰し」もあったのではないか、とまで言う人もいます。

彼ら金融資本家たちがそうした「陰謀」の証拠を残すはずもありませんが、結果として、そして現実問題として、ドイツの国民が厳寒の北ヨーロッパで凍えることになるのは確かなことです。

犠牲者も出るでしょう。それは、EU全体の経済危機や社会不安に発展します。もしかすると、第三次世界大戦の導火線はこのあたりあったのかもしれません。

さすがは「金融の核爆弾」です。

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