ウクライナ戦争終結の鍵。ロシアに物言えるトルコを西側に組み込むべき理由

 

さらに同記事は米国の状況を以下のように記しています。

ウクライナ戦争がきっかけで、ワシントンの外交界では、放蕩者のようなトルコとの防衛関係を再構築するよう求める声が上がっている。

 

元駐トルコ・イラク米国大使のジェームズ・F・ジェフリー氏は、「トルコはロシアと対峙するNATO前線6カ国の中で圧倒的に強く、ウクライナという緩衝材を失った後は、地政学上の大きな利益をリスクにさらしている」と指摘した。

 

また「トルコの外交的支援なしに、この危機におけるNATOの成功を想像するのは難しい」とも述べた。

 

しかし両者の相違を解消する努力はあまり進んでいない。

 

バイデン政権は、エルドアン大統領の人権問題を厳しく批判し、トルコへの最新鋭のF16戦闘機の売却を拒否している。

 

バイデン氏はまた、12月に米国が主催した民主主義サミットからトルコの指導者を省いた。米国が同盟国やパートナーを集めてロシアを非難するよう努める中、エルドアン氏との電話会談を行わなかった。

 

ジェフリー元外交官は、“トルコと密接かつ創造的に調整することは、米国の責任である”と述べている。

解説

今まで、米国とトルコの関係が悪かったのは、ロシアのミサイルの導入を考えれば当然です。しかし、ウクライナ侵攻を見た今、関係修復は、双方にとっての利益です。

ウクライナという緩衝地帯をなくしたトルコにとってもロシアの軍事力に備えたいからです。

欧州がトルコのEUへの加盟を進めるか否か、米国が今まであまりよくないトルコ関係を修復して、完全に西側に組み込めるか否か、バイデン大統領をはじめとする西側諸国の政治家の力量がためされます。

いずれにしてもウクライナ戦争における妥協点のカギを遠くから握っているのはトルコの姿勢です。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』3月6日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)

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11/7号では「最近、日本は目立たないながらも主導的な役割を果たすようになった」とのシンガポール紙の記事を紹介。これもまた「なぜか日本で報道されない」日本に肯定的な意見のひとつです。

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・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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【著者】 大澤 裕 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 日曜日

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