さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
韓国の憲法では大統領の任期は1期5年に限定されており、加えて仮に憲法改正によりこれが改められても、改正された内容は、改正時の大統領には適用されないことが定められている。そしてこのことは即ち、現職の大統領が次期大統領選挙に立候補することができないことを意味しており、故に与党の多くの議員もまた、大統領のその任期が終わりに近づくと、現職の大統領から距離を置き、新たな大統領候補の周りに結集することを余儀なくされる
今日の韓国の大統領や与党の支持率は、イデオロギー的性向を同じくする人々の支持に支えられ、低下する場合にも一定の所で下げ止まる
今日の日本の政権支持率もまた20%台よりも大きく低下することは少なくなっており、それこそが自民党の長期政権を支える一つの要因になっている。ここで言われるのもやはり、社会におけるイデオロギー的分断の進行である
日韓両国間の交流は、新型コロナ禍に突入する前の2018年には、日本から韓国に300万人以上、韓国から日本には実に700万人以上の人が行き来するまでになっていた
『朝鮮日報』をはじめとする韓国の主要紙が相次いで日本語版をスタートさせたことで、かつては韓国語が読めなかった人にはアクセス不可能だった情報に、誰でも容易にアクセスすることが可能になっている
2000年には、日本の4分の1を少し超える程度にしか過ぎなかった韓国の軍事費の規模が、僅か20年の間に日本に追いつきつつあることがわかる
日本国内における書籍の出版数全体が大きく減少する中、韓国に関わる書籍の数は、むしろその数を増加もしくは維持する傾向を見せている(中略)しかし、韓国ではこれとは全く逆の現象が起こっている(中略)こちらは日本に関する書籍の割合が徐々に低下している
世界全体では今後も人口増加が続く一方で、東アジアでは急速な人口減少が進行していく
韓国だけにとどまらず、アジア全体を俯瞰する視点で書かれており、発展するアジアのなかで日本が取り残されないために、どうするべきか、考えさせられます。
著者の説明があまりに上手く、これまで読んだどんな韓国本よりも興味を持つことができました。
3月9日は、韓国の大統領選挙。論点を整理する上でも、ぜひ読んでみてください。
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