こうしたあまりにも一方的なプロパガンダへの反発は、ネット上では無視できない勢いで拡がりつつあり、主要メディアや政府にとっての脅威となりつつあります。
たとえば、「ロシア軍による容赦ない戦闘や破壊」と称される映像が、実は、過去の中東での戦闘の模様であったり、映画の戦闘シーンであったり、酷いものでは「テレビゲーム」からの借用であったり、というような、あまりにもおそまつなフェイクニュースがネットで暴露されています。プロパガンダを推し進める勢力は、最早、なりふり構わずで、コンテンツの質にこだわってはいられない状況なのかもしれません。
こんな具合ですから、何でもかんでも、悪いことは全てプーチン大統領のせいであり、彼さえいなければ、問題は「スッキリ解決」と言わんばかりに、「プーチン暗殺」を待望するような論調までもが、主流メディアでは、チラホラ散見されるようになりました。
そこまで酷くはなくとも、ロシアの「民衆(実際にはプーチンを支持している国民が圧倒的多数なのですが)」が立ち上がって、「反戦」の世論が盛り上がり、プーチン政権が瓦解するといった奇跡が明日にでも訪れるのではないかと思わせるような能天気な解説をする専門家やMCも現れる始末です。
さらに最近では、「平和」を求める諸国民の声をロシアに届けようとか、「反戦」の旗の下に世界中の国民や政府が一致団結しよう!とか、まるで怪し気な新興宗教のような独り善がりで自己陶酔的な呼び掛けをする「識者」までもが、地上波TVに登場するようになりました。
ここにいたっては、現代日本の報道もついに「大本営発表」の時代に逆戻りしたかのようです。当時の「鬼畜米英」が「鬼畜ロシア」「打倒!狂人プーチン」に替わったわけです。さて、こうした「戦時プロパガンダ」は何を目的に行われるのでしょう?
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