軍事・危機管理のプロが岸田総理に建言「国家安全保障」の新戦略

 

【災害対策】

(1)米国の連邦緊急事態管理庁(FEMA)などを参考に、感染症対策を含む災害への司令塔機能を整備する。「屋上屋を架すがごとし」とする反対論は根拠がなく、容易に論破できるものばかりである。まずは小規模なチームを発足させ、実務の中で適正な規模に整備していくことが現実的である。

(2)米国の疾病対策予防センター(CDC)に相当する組織を日本版FEMAの外局的な組織として発足させる。

(3)日本には1個所も存在していない危機管理要員の教育訓練施設を関東、関西などのブロックごとに設置、国家的な災害対策能力の向上を図る。米国、台湾などに参考にできる組織が存在するが、小規模な予算で効果を得ている。

(4)首都・東京の抗堪性を高めるとともに、関西圏に副首都を建設し、東京とのホットバックアップにより災害時に国家機能が継続できるようにする。

【サイバー・セキュリティ】

(1)先進国で最も遅れている日本のサイバー・セキュリティを国際水準に向上させるため、国際的な専門家からなるチームを発足させ、あらゆる角度から日本の脆弱性を探り、リアルタイムで対策を講じていく。日本の水準に甘んじている限り、重要インフラを防護できず、デジタル社会は絵に描いた餅に終わる恐れがある。

岸田総理。以上はすべて、専門家の一員として私が関わったことばかりで、その分野の官僚や専門家も認め、また反論できなかったものばかりです。必要とする予算も驚くほど少なくて済みます。

しかし、これを実行に移すことができるのは内閣総理大臣をおいて他にありません。どうか、省利省益をこえ、国益のために同時進行させるだけの政治力を発揮していただきたいと思います。

国家安全保障戦略に上記が盛り込まれることを期待しております。2022年3月7日(小川和久)

image by: 首相官邸

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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