経営困難に陥った経営者がやってしまいがちな「アウト」な行動

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会社が傾きかけ、借金の返済や差し押さえに困った時に裏工作をしてしまう…。そんなケースは本来あってはならないことですが、多く見かけられるそうです。そこで今回は、メルマガ『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんが、事業再生をやってきたなかで見聞きした事例を挙げ、セーフとアウトの境界線について語っています。

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ギリギリセーフとギリギリアウトの境界線

事業再生をやっていると、危なっかしい場面をよく見かけます。例えば、借金の返済が困難になったとき、差押されるのを過度に恐れ、財産隠しをあれこれ裏工作する人。これは詐害行為で訴えられる恐れがあるだけでなく、最悪の場合、民事では済まなくなり、強制執行を妨害した罪に問われて逮捕される危険性すらあります。

以下、実際に見聞きした事例をいくつか挙げてみます。

1.破産詐欺罪

某小売店の社長は、計画的に破産しました。依頼した弁護士さんをも欺き、店の在庫の価値が時価3000万円以上あるのに、過小評価して、元従業員に100万円で売却していたのです。元従業員に新会社を設立させ、そこで利益を得るために。

しかし、この行為が破産手続き中に管財人にバレて、結果、この社長は破産詐欺罪で逮捕され、ニュースにも載ってしまいました。

2.強制執行妨害罪

だいぶ前の話ですが、同業者の顧問先社長が、この罪で逮捕されました。内容は稚拙なものでした。家を差し押さえられるのを妨害するために、家の玄関に、怪しげな架空の政治団体の看板を掲げたり、債権者が来ると奇声をあげたり、裏庭に未登記の宗教じみた小屋を建てたりして、強制執行妨害罪の容疑で捕まってしまったのです。

3.詐害行為

これは事例がいくらでもあります。多いのが、不動産の贈与ですね。例えば、経営危機に瀕した社長が、マイホームを守るために、危機に瀕してから慌てて奥さんや息子さんに生前贈与したようなケース。債務超過や遅延などが生じる前に生前贈与していればギリギリセーフなのかもしれませんが、経営危機に瀕してからこういう事をすると、債権者から詐害行為を主張される可能性が高くなります。

財産を守ろうとすればするほど、こういったリスクが高くなります(守るべき財産が無ければ、こういった心配はあまり無いのですが…)。

あなたがもし、財産を守りたいのなら、慎重すぎるくらい慎重になったほうがいいでしょう。よく勉強し、よく情報収集し、よく専門家に相談し(財産を守る事に強い専門家は、弁護士です。特に上記事例1.2.3.に近いケースの場合、必ず弁護士に相談して下さい。コンサルタントにはできません)。

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事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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【著者】 吉田猫次郎 【月額】 ¥528/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 10日・20日・30日 発行予定

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