アフガンだけではありません。2020年の日本の難民申請者は3936人。それに対して認定は47人(1.2%)、2019年は申請者1万375人に対して認定は44人(0.4%)でした。
以下は2020年のシリア難民のケースですが、認定率はオーストラリア89%、ドイツ78%、アメリカ62%に対して、日本は2011年から20年間で117人が申請、認定は22人。難民政策の落差が一目瞭然です。
日本でも、難民認定後5年以上在留し、要件を満たすと永住権を取得できることになっていますが、難民申請の結果が出るまで平均2年半以上、10年以上かかる場合もあります。
認定が厳しい理由は、①就労目的による難民認定申請を防止するため、②「難民」の定義が狭く、戦争難民が含まれないことも理由に挙げられています。
こんな日本に対して、ドイツはパスポートを持っていなくても難民として受け入れ、3年間は生活を保障し、人道的な国家というイメージを打ち出すとともに労働力確保を視野に入れた政策として位置づけています。
ついでながら、難民にまじった敵性国家の工作員やテロリストの入国を心配する向きには、3年間もドイツ政府が「管理」する訳ですから、普通の受け入れ体制より発見しやすいことも申し上げておきたいと思います。
次号では、難民と向き合うドイツの在り方を考えてみたいと思います。(小川和久)
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