庵野秀明が尊敬する監督はなぜディレクターズチェアに座らないのか

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シン・ゴジラやエヴァンゲリオンなどの作品を世に送り出し、稀代の映画監督として知られる庵野秀明氏。そんな彼が影響を受けた映画監督とはどのような人なのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、 岡本喜八氏が語った真心の行き届いた映画の作り方についての話をクローズアップしています。 

庵野秀明氏に多大な影響を与えた映画監督の話

本日は、『新世紀エヴァンゲリオン』や『シン・ゴジラ』などの人気映画を世に送り出してきたことで知られる庵野秀明氏が、

「個人の人生観・フィルムの演出家としても多大な影響を受けている」

と語った映画監督・岡本喜八氏の貴重なお話をご紹介いたします。

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「ディレクターズチェア」 岡本喜八(映画監督)

仕事というものは楽しく行ってこそよい成果をあげられるのではないだろうか。

こと映画に関していえば、つくり手が楽しくやらないと、受け手である観客は楽しんでくれない。

そのために私は2つのことを心掛けている。

まず1つ目は、準備を徹底的に厳しく、辛くやっておくということだ。

映画づくりというものは「個」から始まり「集団」の作業をし、また「個」に戻る。

私は、そう考えている。

最初の「個」は、脚本やコンテをつくる作業。

「集団」は、いうまでもなく撮影現場。

そして、最後の「個」は完成された1つの作品である。

その最初の「個」を徹底的に行うことが、次の集団作業を円滑に、かつ楽しくさせる。

脚本の行間を埋めるのがコンテであり、コンテとコンテの間を埋めるのが撮影である。

だから、脚本やコンテには推敲に推敲を重ねる。いく晩も徹夜を重ねる。

それが現場を楽しく、充実させてくれるのだ。

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