安倍晋三の“息の根”を止めろ。元秘書が立憲から出馬、最強の刺客で戦々恐々の元首相

2022.05.03
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私たちは選挙のたびに「政治への無関心層に働きかけて投票率を上げよう」と叫んできた。「投票に行かなければ政治は変わらない」と訴えてきた。確かに、一人でも多くの人に政治への関心を持ってもらうことは、民主主義を守るためには死活的に大切だ。

しかし、国民の政治不信がこれほど根深いものになってしまった今、一から無関心層を掘り起こすのは容易ではない。そんな状況で政治を変えるためには、これまで政治の「内側」にいた人々や、常に当たり前のように「いつもの自民党」に投票してきた人々の意識が変わることが、より重要なのではないか、と考え始めている。

自民党の政策はおおむね正しい。アベノミクスは成功しているし、外交もうまくやれている――。長年とらわれてきたそんな「常識」は、コロナ禍対応の不手際やウクライナ危機の影響などを受けて揺らぎ始めている。

アベノミクスで経済指標がどんなに好景気を示しても、足元の地域で実感できない。「外交が得意な首相」の名を欲しいままにしていたのに、首脳間の個人的信頼関係を誇示していた国の蛮行に、全くなすすべもない。

「常識」を揺るがせた張本人の地元で、外野ではなく内側からそのことを指摘する存在が現れた。驚くとともに歓迎している。野党サイドが敗北した昨秋の衆院選の後、ともすれば忘れかけていた「この道しかないのか、別の道を歩むべきか」という選択肢の提示の大切さを、改めて思い起こされたからだ。

山口だけではない。日本各地で長年にわたり、誠実に自民党で政治にかかわって来た、どんなに低投票率の選挙でも必ず投票所に足を運んでいた人々の中から「このままでいいのか」という声が出始めた時、ようやく政治に地殻変動が起きるのかもしれない。

秋山氏が将来、その先陣を切った存在として記憶されることになるのか、それとも「2022参院選の注目選挙区の一つ」として記憶されるにとどまるのか。与野党各党の戦いぶりを含め注視したい。

なお、この記事の中で「桜を見る会」問題について「秋山氏の暴露には興味はない」と述べたが、「桜を見る会」問題そのものへの関心を失ってよいという話でないことは、念のため付言しておきたい。

この問題をめぐって最近、略式起訴された安倍氏の元秘書の供述調書の内容が報じられた。元秘書らが前夜祭の費用の補填について、違法性を認識していたことが明らかになった。

「安倍政治」の清算は、まだ決して終わってはいないのだ。

image by: 安倍晋三 - Home | Facebook

尾中香尚里

プロフィール:尾中 香尚里(おなか・かおり)
ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。1988年毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長、川崎支局長、オピニオングループ編集委員などを経て、2019年9月に退社。新著「安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ」(集英社新書)、共著に「枝野幸男の真価」(毎日新聞出版)。

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