安倍晋三の“息の根”を止めろ。元秘書が立憲から出馬、最強の刺客で戦々恐々の元首相

2022.05.03
 

おそらく秋山氏は、市井の人々の生命と暮らしの現場に身を置いた時、政治の世界から見てきた景色とはまるで違うものが見えたのだろう。

山口市のホテルで開いた記者会見で、秋山氏は「アベノミクスを提唱した安倍首相の地元でありながら、その恩恵が県内隅々まで行きわたるどころか、一般庶民の暮らしは厳しくなるばかり。『一強政治は強い者を強くする政治に過ぎない』ことに気づかされた」と出馬の動機を語った。

立憲民主党からの出馬を選んだ理由については「一強政治に対峙するもう一つの政治勢力が必要であり、(出馬するなら)野党第1党の立憲民主党しかない」と述べた。

言うまでもなく、山口は全国有数の保守王国だ。自民党は衆参両院で長年議席を独占しており、民主党政権の下野後3回の参院選ではすべて、自民党が得票率6割を超える圧勝だった。

おまけに今回の参院選は、野党が四分五裂している。秋山氏のほかにも国民民主党が候補擁立を決め、共産党も独自候補擁立を模索している。

全選挙区で野党候補が一本化した前回とは一転して、現時点では絵に描いたような「一強多弱」。簡単な戦いではないだろう。

それでも秋山氏は、あえて野党からの出馬を決めた。

「強い者を強くする政治」とは違う政治、つまり「弱い者を底上げし、支え合う政治」を求めた、ということだ。

だから、秋山氏はかつて所属した自民党と政策的に親和性が高いだろう保守系の「第三極」政党などではなく、立憲民主党という「野党第1党」からの出馬を決めた。

そこには「自民党と対峙する勢力を構築する」「選挙で有権者に『目指すべき社会像』を選択してもらう」という、明確な目的意識がある。政治を「分かっている」人の選択だと考える。

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