安倍晋三の“息の根”を止めろ。元秘書が立憲から出馬、最強の刺客で戦々恐々の元首相

2022.05.03
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7月の参院選で、安倍元首相のお膝元・山口選挙区では安倍氏の元秘書・秋山賢治氏が立憲民主党から出馬する。14年にわたって安倍事務所で私設秘書を務めた人物が反旗を翻した形だ。秋山氏から何らかの“暴露”があるのではとの声も上がる中、大切なのはそこではないと語るのは、元毎日新聞で政治部副部長などを務めたジャーナリストの尾中 香尚里さん。尾中さんは今回、秋山氏が立憲民主党から出馬した意味を解説するとともに、国民の政治不信を招いた「安倍政治」に対して強く批判しています。

プロフィール:尾中 香尚里(おなか・かおり)
ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。1988年毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長、川崎支局長、オピニオングループ編集委員などを経て、2019年9月に退社。新著「安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ」(集英社新書)、共著に「枝野幸男の真価」(毎日新聞出版)。

安倍氏秘書が立憲民主党から出馬の衝撃

安倍晋三元首相の「口だけ番長」ぶりは相変わらずだ。例えば、ウクライナへの侵攻を指揮するロシアのプーチン大統領について「力の信奉者。戦国時代の武将みたいなもの」と評した(4月21日)。

何が言いたいのか全く分からない。「プーチン氏との個人的関係」というメッキがはがれ、この非常事態に自身が何の外交力も発揮できない現実から目をそらそうとしているわけだ。

一方、急激な円安が国民生活を直撃すると「右往左往する必要は全くない」「日本のように輸出の工業力があり、外国からの観光客が再び戻ってくれば、円安は日本にとって間違いなくプラスの環境になる」などと強弁した(25日)。アベノミクスのメッキがはがれた現実を、何としても認めたくないのだろう。

外交でも経済政策でもその失敗が次々と可視化されつつある安倍氏だが、そのお膝元の山口県でも興味深い動きがあった。

夏の参院選の山口選挙区(改選数1)で、安倍氏の私設秘書を務めていた新人の秋山賢治氏(52)が、野党第1党の立憲民主党から立候補すると、13日に発表したのだ。

山口と言えば、あの「桜を見る会」前夜祭問題の主要な舞台である。安倍氏に批判的な勢力からは早速「どんな爆弾発言が飛び出すか」といった期待の声が聞こえる。

しかし筆者は、秋山氏自身による何らかの「暴露」の有無には、あまり興味はない。「桜を見る会」問題については、現在表に出ている情報だけで、安倍氏を政界から去らせるには、すでに十分過ぎるからだ。だいたい「国会で118回の虚偽答弁」だけでも、安倍氏はすでに首相はおろか、政治家を続ける資格がない。

だが、筆者は秋山氏の出馬表明について、そういうこととは違う期待をしている。秋山氏のような、古い保守政治のど真ん中を生きてきた人が、その限界に気づき、自民党と異なる「目指すべき社会像」の模索を始めることへの期待である。

秋山氏は安倍氏の選挙区・衆院山口4区に含まれる下関市の出身。1993年から2007年まで、14年にわたって安倍氏の私設秘書を務めた。

1993年と言えば、安倍氏が初当選した年であり、2007年と言えば、第1次安倍政権が突然終わった年である。秋山氏は安倍氏の新人議員時代から首相に上り詰めるまでを見届けたわけだ。

安倍事務所退職後は、2度の地方選に無所属で立候補し落選した。注目されるのは、その後一度政界を離れ、老人保健施設で支援相談員を務めていたことだ。

秋山氏によれば、安倍氏は秋山氏が務めていた老健施設を訪ねたこともあるそうで、少なくとも出馬の動機は、この世界によくある「仲間割れ」「遺恨」などではないようだ。

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