それは石川県。各家庭には必ずと言っても良いほど、常備されています。なぜ、石川なのでしょうか。
チャンポンめんは、昭和38年(1963年)に発売された、イトメンの看板商品です。五十数年前の発売当初から、石川の人には好評だったので、さらに営業に力を入れることで、定着させることができたようです。
特殊な営業方法を取り入れたわけでもなく、ただただ石川の人の口に合ったということです。「ダシの利いたあっさり味」がウケたのです。
そして、発売当初から食べていた子どもが大人になって、その子どもにも食べさせることで、五十数年人気を保つことができたのです。
「特に石川県で売れているのはなぜか?」という疑問に対し、特別面白い事情があったという答えを用意することはできませんでした。しかし、不思議なことではあります。
口に合うというだけなら、他の地域でも売れる可能性は高いのに、販売すらされていません。
考えられるのは、発売当初の営業マンが努力を怠ったのではないかということ。石川県を担当した営業マンだけが、成果を上げたのかもしれません。昔のことなので、同じ営業マンが他の地域もまわっていた可能性はありますが。
ならば、これから営業に力を入れれば良いのかというと、時代の違いが大きな壁になるかもしれません。メーカーも増え、商品も増え、競争の激しさが違います。素朴な味であるチャンポンめんが、受け入れられるのかどうか。
先に書いたように、「昭和レトロ」でアピールすれば、面白がる人は出てくるかもしれません。
イトメンとしては、全国展開を望んでいるのでしょうが、現状維持で、濃いファンを守っていく道もあるのではないでしょうか。
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