洋服の青山は、全国に店舗があります。人流が戻りスーツやジャケットの需要が出てきた時に、「ちょっとくらい高くてもいいので、自分の好みのものが欲しい」「ぴったりマッチしたものがいい」という人たちをターゲットにするのでしょう。
コロナ禍の中で「自分を見つめ直す」機会が増えました。なので、コロナがもう少し落ちついて外出できるようになると、「自分が欲しいもの」を求める人に受けそうです。
業界内の多くの企業が、安く多く売ろうとしている中、青山は逆に「付加価値」をつけて売ろうとしているのです。
薄利多売から差別化に持っていくこの戦略が上手くいくかどうかは、付加価値の付け方にかかっています。
付加価値は、そのままブランドに直結します。
ブランドを構築するということは、知名度やイメージを上げることだけでなく、品質への信頼感や、機能性への安心感、ターゲット層が「これは自分のマッチしたブランドだ」と感じるアソシエーションという「連想度」を高めていくことが必要です。
連想度とは聞きなれない単語と思いますが、ターゲット層の心の中に醸成されていく、ブランドへの“共感度合い”を指します。
連想度が高ければ高いほど、すなわち、共感されればされるほど、同じような業種、価格帯の中から、選ばれるブランドになるのです。
そのためには、「青山にいけば、自分にマッチしたテーラーメイドのスーツを、お値打ちに作ることができる」というブランドの個性、自我を、はっきりさせる必要があります。
スーツをこれまでと同じビジネス服、と定義しているとより厳しい競争にさらされます。
その中で、この青山の戦略、特にブランド構築がどうされていくのか、注目したい事例です。
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