良い投資信託を選ぶポイント
さまざまな投資信託から、自分にあった商品を選ぶポイントを紹介します。
インデックス型・バランス型
①純資産総額:多いほどいい
②運用成績(純資産総額・基準価額の推移):右肩上がりだといい
③信託報酬:低いほどいい
④投資先の資産:多いほどいい
⑤シャープレシオ:値が高いほどいい
⑥トラッキングエラー(ベンチマークと実際の値動きの差):値が小さいほどいい
投資信託の規模を表す純資産総額と価格を表す基準価額がともに右肩上がりで増えていることが大切です。これらは運用成績が好調で、投資家からの人気が高いことを示します。
逆に純資産総額が極端に減っていると、「繰上償還」の可能性もあります。繰上償還は投資信託の運用が満期になる前に終了することです。投資信託の資産が大きく減ったり、投資信託会社が破たんしたりしたときに行われる場合がある。特に損を抱えているときに繰上償還すると、損が確定してしまいます。
信託報酬が安いことも重要。同じベンチマークの商品は、似た値動きをします。TOPIXに連動する商品は何本もありますが、そのときに利益の差を生むのは信託報酬です。
投資先はなるべく多いもの、市場全体をカバーできるものを選ぶといいでしょう。そのほうが、分散投資の効果が高まります。
たとえば、米国の株式市場の代表的な指標に「S&P500」があります。S&P500は、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場する銘柄から選ばれた500銘柄の時価総額もとに計算される指数です。
S&P500だけで、米国の株式市場の時価総額の約80%をカバーしていますから、市場の大部分と思われるかもしれません。
しかし、「CRSP USトータルマーケットインデックス」(以下CRSP)ならばもっと幅広い投資が可能。CRSPは米国株式市場の大型株から小型株までほぼすべて、約4000社の時価総額をカバーしています。
同じ市場(ここでは、米国株式市場)に投資する投資信託ならば、S&P500よりもCRSPのほうが市場全体に投資できます。
アクティブ型
①運用成績:高いほどいい(過去5年以上をチェック)
②純資産総額:少しずつ増えているといい
③シャープレシオ:値が高いほどいい
④資金流出入額:順調に流入しているものがいい
アクティブ型は何よりリターンを重視します。インデックス型より手数料が高くても、インデックス型を上回る運用ができていればさほど気にする必要はありません。
少なくとも5年、できれば10年といった長いスパンでの運用成績を確認し、順調に伸びているものを選びましょう。
また、同程度のリスクの商品の中で収益性が高いことを表すシャープレシオもチェック。数値が高いほど、効率よく利益を上げられていることを表します。
資金流出入額は順調に流入しているものが良いです。急激に増えていたり、純資産総額が大きくなりすぎたりは要注意。アクティブファンドには適切なファンド規模があります。
純資産総額が大きいと、資金が潤沢すぎるゆえに、かえってアダとなることもあります。
例えば、小型株に投資をするアクティブファンドの場合、成長が期待できる小型株に投資しようとしても、自分たちの売買が株価の変動に影響を与えすぎてしまうため、なかなか購入できないのです。投資先は大型株などに限られてしまいます。
その結果、値動きは比較的安定するのですが、大きな成長は望めません。
まずはインデックス型・バランス型できちんと核となる資産を築いてから、さらにお金を増やすためにアクティブ型を使う、という流れがおすすめです。