「草食系男子」生みの親が語る“自分らしさのマーケティング”とは

Young Asian man sitting and using smartphone at coffee shop
 

なぜ「自分らしさ」が生まれてくるのか?

「世代」というのは個性が大きいです。ただ、人間は関係性の生き物だから自分が育った環境が似てくると、その環境によって自分の個性にもある程度偏りが出る。

わかりやすい話で言うと、時代がものすごい上り調子なのか、時代の中で突然ガーンと落ちる悲劇の経験があるか、ということです。

僕の好きな言葉で、「失望が自分を形成する。自分の傷が自分を作ってくれる」という言葉があって。そういう意味での「時代の傷」とは何なのか?例えば

  • ロスジェネ:社会に出るタイミングでバブル崩壊を経験して、「『成功』は維持できるものではないんだ」と思ってしまう世代
  • 草食系世代:親がバブル崩壊に出会って、「会社が自分を守ってくれなくなった」という時代の中で生まれてきた世代

というふうに、「親」や「時代の傷」によって自分の世代が変わってくるんです。

あともう1つ大事なのが、「いつの時代でどういうつながりをしたか」ということです。特にZ世代、ゆとり世代(アメリカではミレニアル世代)。僕の本の中では、この草食系世代以降をモチベーション革命における「乾けない世代」と言っていますが、草食系世代以降の変化は何かと言うと

  • 草食系世代:大学にいる間にインターネットにつながった世代でありガラケーにつながった世代
  • ゆとり世代:中学生の時にスマホにつながってきた世代

自分が社会につながるタイミングで当たり前のようにインターネットがあるから、「つながっている中で自分がどういうモノの見方をされるのか」が変わってきているんですよね。

ただ、草食系世代のタイミングでは、あくまでインターネットは仲間内の通信を便利にするものです。

Z世代になってくると、インターネットの中で全く新しい友人と出会うことが当たり前というふうに変質してきている。そのへんが、志向性の変化につながってくるわけです。

自分の周りを囲っている

  • いつのタイミングでインターネットにつながったのか
  • いつ自分の周りは時代の傷を背負って、その傷によって自分がどう培われてきたか
  • 親の世代の性格傾向によって、自分がどう影響を受けたか

を冷静に考えていくと、話が戻るんですけど、「自分らしさ」をうまく名付けていけば、自分を売り込まなくても周りが「あなたのあなたらしさがいいね」って言ってつながっていきます。

最後に

繰り返します。ドラッカーのマーケティングの定義は

  • 売り込むことではなく、自然とユーザーが買いたくなること
  • マーケティングとは、売り込みをなくすこと

では、つながる時代の未来を楽しみしょう。じゃあね。

つながる時代の未来を楽しむ情報満載の尾原和啓さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

尾原和啓この著者の記事一覧

IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 尾原のアフターデジタル時代の成長論 』

【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 「草食系男子」生みの親が語る“自分らしさのマーケティング”とは
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け