マスクをいつ外せるのか、非常に大きな関心事ですが、政府の見解は曖昧な言葉に終止し、政治的な色を帯びているように感じます。それが日米首脳会談の映像と、突然の「屋内でもマスク不要」発言に如実に現れたと指摘するのは、メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』著者で健康社会学者の河合薫さんです。河合さんは、マスクに限らず三密回避など、2年経ってもコロナの感染拡大防止策の科学的検証がなされていない現状に疑問を呈しています。
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マスクは誰のため?
マスク生活は、いつになったら終わるのでしょうか。政府は23日、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を改定し、屋内でも他者との距離(2メートル以上が目安)が確保でき、ほとんど会話しない場合は、マスク着用の必要がないことなどを明記しました。
すでに屋外での着用は、人と距離が確保できる場合や、距離が取れなくても会話がほとんどない場合については不要としていましたので、日常のさまざまなシーンでマスクはマストではなくなるのです。
とはいえ…、私の記憶に間違いがなければ、政府から「マスクを絶対にしなさい」と言われたこともないし、「マスク義務化」という文字を見たこともない。
しかも、今回の方針も、最初は屋外だけ、と言い切っていました。なのに、降って沸いたように、屋内でのマスク不要まで示されたことには、ちょっとばかり違和感を感じてしまいました。
が、バイデン大統領と岸田首相の首脳会談の映像を見た瞬間、「なるほど!」と納得しました!2人ともマスクをつけていないのです。周りの人たちはつけているのに、お二人だけマスクなし。天皇陛下と面会した時にバイデン大統領にあった、マスクがないのです。
12日に行われた衆議院厚生労働委員会で、岸田首相は「今の段階でマスクの着用を緩和するということは現実的ではない」「感染の基本的予防策としてマスクの着用は極めて重要」とする一方で、「海外出張先では相手国のルールに沿って対応した」と説明していました。
つまり、相手国=米国を気遣ったんじゃないか、と。穿った見方かもしれませんが、“米国”の大統領のために「室内も外してオッケー」という文言を加えたように思えてなりません。
結局、最初から最後まで日本のマスク問題は、コロナ感染拡大防止策というより政治の問題だったのではないでしょうか。「国民の不安がぱっと消えます」という官僚の提案に乗って、466億円も税金を投入した「アベノマスク」。残りまくって、保管費用に批判が集まると、「欲しい人手をあげて!」と言い出した。報道によると、5月中に配り終える予定で、なんと配送などの費用が約5億円もかかるそうです。
これって税金ですよね。もっとみんな怒っていいのに…。なんていい人たちなんでしょうか。「まぁ、あんまり突っ込むなよ~」という声も聞こえてきそうですが、この国って本当に不思議だとつくづく感じ入った次第なのです。
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