天安門事件の新たな犠牲者か。消えた中国人インフルエンサーの謎

 

そんな折、天安門事件をめぐって中国である事件が起きました。超売れっ子のインフルエンサーで、自ら口紅を塗る販売パフォーマンスから「口紅王子」と呼ばれる李佳琦氏が、いつものようにアリババの動画配信サービス「タオバオライブ(淘宝直播)」で、商品を売っていた時のことでした。

彼は、中国全土で6,400万人のフォロワーを誇る超人気インフルエンサーで、中国の若者なら知らない人はいない存在です。その彼が、6月3日、ライブ配信をしながらケーキを販売していました。そのバニラ味のケーキは、戦車の形をしていたのです。

報道によれば、「タイヤはオレオで、大砲はウエハースでできていた」そうです。そのケーキが出てきた際、彼は驚いた表情をしたそうです。そして突然ライブ配信が終了しました。見ていた人々は訳が分からず驚くばかり。その数時間後、李佳琦氏は自身のSNSで2度にわたり、機器の不具合で配信が強制終了してしまったと謝罪しました。

戦車を模したケーキが原因?「口紅王子」ライブ配信が強制終了 中国

しかし、その後に予定されていた中国最大のオンラインショッピングの祭典で予定されていたライブ配信3件ともに中止となり、その後も「タオバオライブ(淘宝直播)」で検索しても出てこないと報道されています。

容易に推測されるのは、天安門事件が起こった6月4日の直前に戦車のケーキを持ち出したことで、当局への抗議の意思表示をしたと取られての配信中止、出演中止、プロフィール削除などの措置を取られたということでしょう。

しかし、中国のネットでも疑問視されているのは、彼がなぜそんな墓穴を掘ってしまったのか。自滅するだけで何のメリットもないことをなぜしたのか、ということです。

報道にもあるように、そもそも李佳琦氏ら中国の若者世代は天安門事件を知りません。学校で教わることもなければ、中国の規制されているネットでは関連動画や写真などは出てもこないのですから、知りようがありません。そのため、用心のしようもないのです。

そこで、多くの人は、売れっ子の彼を妬んだ周囲の人々による罠だったのではないかと憶測しています。中国では最近売れっ子インフルエンサーが脱税で次々と逮捕され、李さんの一人勝ちといった様子を呈していたようなので、嫉妬される立場だったのは確かでしょう。一部報道では、戦車のケーキを手渡された際、李さんは驚いた表情をしていたともあります。

中国のネットセレブ、戦車形のケーキ見せ配信停止 天安門事件との関連を指摘する声も

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