ゼレンスキーを操っているのは誰か?戦争で金を儲ける「代理店」の存在

2022.06.22
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戦争にも携わる広告代理店

米国が行う戦争を正当化するために、広告代理店のあざといPR作戦のノウハウが採用された実例を初めて世界が目撃したのは、1990年のイラクのクウェート侵攻に対するブッシュ父の「湾岸戦争」だったろう。侵攻から2カ月後に米下院の公聴会の証言台に立った15歳のクウェート人少女が、奇跡的にクウェートから脱出に成功し米国に逃れてきた体験を通じて、自分の眼で目撃したおぞましい出来事として語ったことを聞いて、世界は「涙そうそう」に陥った。彼女はこう語った。

「病院に乱入してきたイラク兵たちは、生まれたばかりの赤ちゃんを入れた保育器が並ぶ部屋を見つけると、赤ちゃんを1人ずつ取り出し、床に投げ捨てました。冷たい床の上で赤ちゃんは息を引き取っていったのです。怖かった……」

これを受けてブッシュ大統領も「心の底から嫌悪感を覚える。こういう行為をする者たちには相応の報いを受けることをはっきり知らせてやらなければならない」とコメントを発表した。ところがこれは全くの猿芝居で、このナイラという名の少女は実は在米クウェート大使の娘で、ずっと米国にいてクウェートなど行っていなかったことが判明した。クウェート政府は米国の一流広告会社ヒル&ノールトン社と契約してサダム・フセインの悪虐性を米国内と世界に向かってアピールすることを依頼したが、同社は手近な関係者の娘を役者に使うという安易極まりない方法で経費を節約し、自社の信用のみならず米国そのものの威信を傷つけたのだった。

当時、テレビのニュースを点ければ必ず流れたのが「油まみれの水鳥」の映像だった。イラクが故意に油田にミサイルを撃ち込み、そこから流れ出した原油によって、WWF(世界自然保護基金)によれば約2万羽の野鳥が被害に遭い、その一部は野生生物レスキューセンターに搬送され約300羽が救済された、という話として伝わった。全身を真っ黒な油で覆われて羽を持ち上げることも出来ないでいる鳥たちの写真を見れば、誰もが「フセインは本当に悪い奴だ。ぶっ殺してやればいいんだ」と腹が煮えくり返り、そこにブッシュの「フセインはヒトラーよりももっと悪質だ」という宣伝文句が重なれば「日本も金だけ出すんじゃなくて自衛隊を送らなければいけないんじゃないか」という世論も湧いてこようというものである。

後になって、これが米軍自身の油田攻撃によるものだったことが明らかになるが、これもヒル&ノールトン社によるフェイクであったのかどうか、今なお真相は不明のままである。

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