傍観者も加害者同然。いじめ被害の女子高生が語った悲痛な胸の内

 

編集後記

対応において、学校のみの判断では無理があると考え、県の私学担当部署にも相談をして監督してもらう必要がありました。

私立学校は、公立校のように教育委員会の管轄ではないので、学校の設置者は学校法人となって、いじめの対応がおざなりになるところが多いと感じます。

本件では、他の教職員が、黙ってはいたが、この顧問に対する不満があるように感じました。保護者についても、よくわからない慣習で余分な出費がある事に不満があるけど、払わないことで我が子が差別的な扱いを受けたりすることは避けたいという思いがあり、仕方なく従っていたという問題も大きく絡み、いじめの下調べで、他の保護者に話を聞きに行くと、そうしたお金の問題がたくさん出てきました。

例えば、冬の4泊5日の合宿では、当然合宿の費用はかかります。そこに、4泊なので保護者は顧問にお手当として、8万円を個別に渡していたわけです。

生徒が25人くらい参加しますから、「25×8万円=200万円」の領収書のいらないお小遣いが入るわけです。夏、冬の2回、だいたい合宿があると考えると、1年間で400万円のお小遣いがもらえるうまい仕事になりますね。

確定申告してますか?と聞いてみましたが、なんで?っていう回答だったし、学校も薄々知っていたけど、把握はしてなかったので、きっと、それ、脱税ですね。

いじめの対応についても、いじめ防止対策推進法の基本中の基本から話をする必要がありましたが、こうした対応は他の事案でも多いので、もう諦めていますが、「日本語読めますか?」と訊きたいくらいです。

何にしても、本来知らなければならないことを知らずに、やらなければならないことをしていないことで、被害者がより酷い状態となり、視点を変えれば、加害者は反省の機会すら失うわけです。さらに、傍観者は「どうすることもできない」と自分を責めるなど、心の傷を負う子もいるわけです。

学校という組織にとっても危機だと思いますが、同時にそれは、生徒にとっても危機となると、この学校や、いじめ対応がおざなりになっている同様の学校については、再度考えて欲しいと思います。

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社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
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