傍観者も加害者同然。いじめ被害の女子高生が語った悲痛な胸の内

 

学校の対応

学校に対してA子さんの保護者は、いじめについて対応をするように、要望をしたが、「いじめではない」との回答が初回の回答であった。

いじめではないとした理由を尋ねると、「関係生徒に話を聞いたが、そういうつもりではなかった」と反省しているからという頓珍漢な回答をしていた。

いじめ防止対策推進法の第2条「いじめの定義」では、「一定の関係性」「何らかの行為等」「被害側の心身の苦痛」の3つの条件が揃えば、「いじめ」となる。

つまり、何らかの行為等があったかなかったかが重要であり、加害生徒が「そういうつもりではなかった」と答えたら「行為自体」は認めたことを意味する。

よって、行為自体を認めている状態で、「いじめではない」という回答は、あまりに不自然なのである。

また、顧問の先生の対応について、顧問の先生自体は、自らの発言自体は認め、謝罪をしたと回答した。

つまり、謝罪をしたからその話はもう終わり、ということである。

ところが、A子さんも間に入った教員も、顧問が謝ったという記憶がないのだ。実際のことろ、謝罪はしておらず、「いじめられている方が謝って早く収めるのが当然」という対応であった。これについては、他の教職員からも、さすがにマズイ対応だという意見が多かったという。

そもそも部活合宿のたびに、生徒の保護者らは暗黙のルールで、生徒1泊1人当たり2万円の手当を顧問に払うことになっており、何かの度に食事代やおみやげ代、お車代をもらっていたなどが問題になりかけていたことを考えれば、この顧問に対しては、他の教員から見ても目に余るものがあったのだろう。

尚、学校としてはリモートで授業を受けることについては、当初は極めて否定的であったが、欠席日数のカウントで重大事態いじめになることを示唆すると、すぐさま、リモート授業を許可し、これに出ている限り、出席として認めますと宣言した。

2022年6月現在、学校はいじめの定義説明をしたところ、「いじめであった」ことは認めざるを得ないという回答となり、顧問は7月の夏休み前までに、謝罪文を提示することになっているが、A子さんもA子さんの保護者も、学校に対する信頼感はほぼない状況である。

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