プーチン“余裕綽々”で次の一手。徴兵で市民を「ウクライナ送り」か?

 

そこにはもしかしたら新たに、これはもう特別軍事作戦ではなく、戦争ですよと。ロシア国民に対して、私たちはもう戦争を始めているのですと、だから、皆さん方のお父さんやお兄さんや若者、あるいは若くない人も含むのかもしれませんが、軍へと総動員令を掛ける。戦争に行ってもらいますよということになれば、それはとんでもない数の人が絞り出されてくる。ウクライナに投入されることを嫌がって逃げ出す人がいるかもしれないし、徴兵拒否する人もいるかもしれませんが、それは多数ではない。大多数の人たちは嫌でも兵隊にとられていく形になり、そして何十万、何百万人の軍ができあがる。もしそのようなことをするのであれば、ロシア軍は相変わらず強いということになるかもしれませんが、でもそれをやると、国内がボロボロになるでしょう、今以上に。

既に制裁で経済的な問題があちこちで起きているみたいですし、まあ、それをやるのかやらないのか。で、じゃ、お金はあるのかというと、実はロシアにはカネはあるんだよね。特にヨーロッパ各国が制裁を行い、それに対してロシアが原油にせよ天然ガスにせよ、送らないことになる、送る量を絞るということが今行われていますね。それで少なくともお金は入ってきにくくなるわけですよね。でもその分を中国は1ヶ月の統計で1.5倍くらい。侵攻前の1.5倍くらい原油を買っている。それからインドはもっと非常に多くの量を買っているようですね。そういう形でロシアにはお金が入ってくるから、最終的にカネでなんとかするという形で、今は部品がなくて困っている誘導弾の半導体だとか、そのようなものを含め手に入れられるようになるのかもしれない。そういうところにさしかかっている気がしますね。

で、ただ、同時にこれは分からないですが、そんなことで戦局が大きく転換するかは分かりませんが、この間言われていたハイマースという多連装ロケット、射程がうんと長い、といっても70キロくらいですが、そういうものを供与するとしていて、現に届いたようですね。届いて、ツイッターにウクライナの国防大臣か国防相のツイッターに、写真が出たそうですが、これが本当ならもう既に弾を撃っているということになりますね。ロシア軍の兵站とか、あるいは榴弾砲のシステムとか、それらを榴弾砲の弾が届かないところから狙い撃ちしてぶっ壊すと。そういうことがこれから先起こってくる。そうすると、それによってロシア軍がいっそうの混乱に陥るということがなんとなく想像できるわけですが、それによって戦局が大きく転換するところまで行くのかどうかはわかりませんが。

で、国際政治の世界というのは、要はそのような力のあるものが、力が正義となり、進んで行くのかもしれないですが、しかし、ロシアの侵攻の過程で行われた色んな残虐事件だとか、国際法に反するという言い方はかえって弱々しく聞こえるのですが、むしろ人の道に反するような残虐行為が様々行われていますよね。そういうことに対するけりも付けないまま、世界が二つの極に分かれてそれぞれ競い合うような時代にもう一度戻るのか。

まあ、この間、BRICSの政治指導者を見ると、ブラジルにせよ中国、ロシア、南ア、もう一つ、インド。みんな強権的な手法、とくにプーチン大統領と習近平国家主席の権威主義的、専制主義的政治手法が際立っていますよね。だからそのようなものを結局、力がある訳なので、現に反対者は国内の力は大変上手く押さえ込まれている状況ですから、隣国とか、辛く当たる国などは酷い目に遭う可能性があると。なんとも馬鹿馬鹿しいくらい力本位の世界が見えてきているということですよね。なんとか、それに対抗するとしたときに、じゃ、日本は日米同盟を結んでいるし、米国とずっと一緒について行きますということでいいのか、ずっと議論しなければならないことだと思います。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

print
いま読まれてます

  • プーチン“余裕綽々”で次の一手。徴兵で市民を「ウクライナ送り」か?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け