騙され続ける日本国民。米英の「中ロ敵視政策」という天下の愚策

 

結局のところ米国や英国は、中露に対して何をやりたいのか。「中国は、台湾の民主主義を潰そうとしたり、新疆ウイグルのイスラム教徒を弾圧してけしからんので、民主や人権擁護の観点から中国を政権転覆する」とか「ロシアは、ウクライナに侵攻してけしからんので政権転覆する」というのが米英の目標とされている。しかし、台中の対立は中国国内の内戦問題であり、どちらかが民主主義だから良いという話でない。それに、もし米国が国共内戦からの歴史を無視することにして、台湾が民主主義で素晴らしいということだけに注目することにしたのなら、米政府は台湾(中華民国)を国家承認して国交を再樹立すれば良い。米国はそれをせず、台湾への兵器販売や、米議員訪問など騒動醸成目的だけの動きに徹しているのだから、民主主義を重視しているわけでなく、中国と本気の対決もしていない。

TW The Coming Proxy War With China
China Slams US for Changing Taiwan Wording on State Department Website

中共のウイグル人に対する仕打ちは、その近くにあるアフガニスタンの人々に対する米国の仕打ちと比べ、それほど悪くない。中共がウイグル人を「虐殺」したというのは無根拠な話(米諜報界が妄想したウソ)だ。弾圧してるが大量殺戮してない。半面、米軍は昨年まで20年間の占領で数十万人のアフガン人を殺戮(虐殺)している。また米国は2014-22年にウクライナを政権転覆・極右化して武器を渡して東部のロシア系住民を1万人殺させている。ロシアより米国の方がはるかに悪い。米国は、中露の政権を転覆する大義がないし、転覆できない。転覆する必要もない。米国が中露の現政権と仲良くした方が、世界ははるかに安定する(米国は世界を不安定にしつつ自国の覇権体制を自滅させたい)。

US Presses Taiwan to Buy More Weapons Suited to Defend From Chinese Invasion
ウクライナ戦争で最も悪いのは米英

結局のところ、米英は中露に対して何をやりたいのか。日豪をNATOに入れたり、日本をファイブアイズやAUKUSに加盟させて、同盟諸国にもっと中露敵視をやらせたい?同盟諸国に加圧し、米国側が団結して中露敵視を強めると、うまくいくのか?いくわけない。米国側が敵視を強めるほど、中露は結束を強め、米国側を無視して自分たち非米側の世界を運営していくようになる。南シナ海や東シナ海などで中国と米国側の軍事的なつばぜり合いは多発するが、そこから米中戦争にはならない。台湾を国家承認しない米国は、中国と戦争する気がない。戦争せず敵視だけして、対立感を醸成しているだけだ。中露の結束がつよまるばかりだ。

New Zealand Deal May Put Japan Closer to ‘Five Eyes’ Intelligence Alliance
Liz Truss’s militant rhetoric is another sign that post-Brexit Britain is dangerously delusional

中国は最近、豪州の北方沖にあるソロモン諸島と安保協定を結び、中国軍の基地が豪州沖にできるかもしれない事態を作った。豪州がソロモン諸島に文句を言ったら「AUKUSを作る時に事前に何も知らせてくれなかったのだから、こちらも勝手に中国と安保協定を結んだだけだ」と言い返された。ソロモン諸島から見ると、豪米アングロサクソンは傲慢で、中国の方がましだ。中国は、南洋でも尖閣周辺でも、敵視されるほど大胆に前に出てくる。軍事でも経済でも、米英に言われるままに中国を敵視して困るのは豪日の側だ。豪州のモリソン政権は先日の選挙で負けて下野した(政権交代しても行き詰まりは変わらないだろうが)。

Accuses AUKUS Countries of Inciting Arms Race in South Pacific
UK calls for a ‘global NATO’

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