騙され続ける日本国民。米英の「中ロ敵視政策」という天下の愚策

 

米国は、同盟諸国に中露敵視を強めさせる役割を自分でやらず、昨年末あたりから英国にやらせている。米国自身が同盟諸国に中露敵視を強めろと加圧すると、同盟諸国は自国の軍隊や安保体制を今よりさらに米国と一体化することを中露強化策としてやりたがり、日独など(日欧)が対米従属を強めて米国にぶら下がる傾向にしかならない。米国は、同盟諸国をぶら下がらせたくないので、バイデン政権になって、同盟諸国に中露敵視を強めさせる役割を英国に下請けさせ、英国と独仏豪日などでうまくやってくれという態度になっている。だから英国は、NATOを拡大して豪日を入れる案とか、英豪が米国の傘下で結束して中国敵視を強化するAUKUSとか、米英豪NZの諜報同盟であるファイブアイズに日本も入れと言ったりしている。日本は敗戦後、二度と地域覇権を求めず永久に対米従属するつもりで諜報機関を作らないようにしてきた。それが今になって諜報同盟に入れと言うのはお門違いだ。

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Make NATO a Pacific Power? British Government Comes Up With Another Dumb Idea

最近の記事に書いたように、アングロサクソン諸国の諜報界は、インチキな話をばらまく隠れ多極派のネオコン系に席巻されて麻痺・洗脳状態になり、まっとうな諜報分析ができなくなっている。日本がファイブアイズに入ったら、おかしくなったアングロサクソン諜報界から中国の脅威などについて過激な妄想を注入されて事実と信じ込むよう洗脳される。今のような現実論で国際情勢を見られなくなり、国家的な大失敗の可能性が高まる。今のような、無能な小役人を演じて事なかれ主義で米国からの洗脳を回避する方がはるかにましだ。

米諜報界を乗っ取って覇権を自滅させて世界を多極化
China Says NATO Has ‘Messed Up’ Europe in Warning Over the Alliance’s Role in the Asia-Pacific

米国が同盟諸国に中露敵視を強めさせる担当を英国に下請けさせた後、年初に英首相が訪日する予定だったが露軍のウクライナ侵攻が近づいて中止された。その後5月初めに日本から岸田首相が訪英し、日英同盟の現代版みたいなのを締結した。そして今回、仕上げ的に米国からバイデンが訪日した。しかし、米国側の中露敵視は合理的な戦略でないので、バイデンが訪日しても基本的なことは何も変わらない。日韓にもっと兵器を買えと言って回るぐらいだろう。

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バイデンの日韓訪問は、インド太平洋の新しい経済協調を強化する経済面の目的もあると喧伝されている。だが経済面での2大問題は、(1)対露経済制裁と、米中など国際流通網の逼迫によるインフレの長期化と、(2)間違ったインフレ対策である米連銀のQE終了・QTによる金融崩壊だ。インフレは、米国が中露敵視をやめない限り続く。(1)(2)ともに原因は日韓に関係ない。(1)を解決したいなら東京ソウルでなく北京に行くべきだ。そもそも「バイデン日韓訪問の目的は経済」という話は「中国と戦争しろと言いに来ないでくれ」という日韓からの批判をかわすために米国と傀儡筋が発している目くらましだ。

US, Japan Preparing Statement Pledging to ‘Deter’ China
権威筋や米国覇権のゾンビ化

アジアでは、日豪がまだ米国側にとらわれている半面、インドや東南アジア、韓国は非米側に傾注しており、すでに立場的に一枚岩でなく、経済協調が崩れる方向にある。米国のインド太平洋経済協調は非現実性が増している。しかもバイデン日韓訪問に合わせ、米国防総省の筋は2027年に米中が戦争するシナリオをわざわざ流している。訪問の目的は経済でなく日韓に中国を敵視させるためだよ、と軍産がわめいている。日米は、中国を「軍事的に抑止する(=戦争する)」ための日米協力について声明を発表することになっている。

TV War Games Over Taiwan
US, Japan Prepare Statement Pledging To Jointly ‘Deter’ China Militarily

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