“ジャンキー肉”で虜にする。大阪の昼休みに行列を作る「ダブダブ」とは?

 

では、人を魅了する味の秘密はどこにあるのでしょうか。それは、ほとんどの人が見ていないであろう、焼肉の下準備にあります。

注文が入ると、あらかじめ焼いておいた肉を温め、皿に盛るので、下準備を見ることはありません。この下準備の光景を見ると、食べることを躊躇する人がいるかもしれません。

大きな鉄板に最初にのせられるのは、角切りにされた、大量の白い物体。豚の脂のみを角切りにして、鉄板に敷き詰めるのです。その上に、これまた大量の豚肉をのせていきます。どうやって混ぜるのかというほどの量です。

平らな鉄板が山盛りになり、まるでエアーズロック状態。これを下から上へ、ゆっくりと混ぜていきます。ある程度火が通ったら、大量のおろしにんにくと醤油で味つけします。

大きな特徴は、やはり脂の角切りでしょうか。豚の脂は甘く、肉をしっとりさせ、旨味にもなります。この脂が人びとを惹きつけているのです。

ご主人曰く、「ジャンキー肉」。確かにそうなのですが、かなり魅力的なジャンキーだと言えます。

荒っぽい料理かもしれません。上品とも言えません。しかし、人びとは虜になり、「ダブダブ、行こか!」という食文化を生み出したのです。

料理にはさまざまなジャンルがあり、それを好む人もさまざま。なので、優等生になることなく、極端で弾けた味を作り出せば、大人気店となることができるのです。

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なぜ、人はモノを買いたくなるのか。欲しいという感情は、どこから生まれるのか。消費行動における人の心理を知れば、売れるモノが見えてくる。売り方がわかる。小手先のテクニックなど、いらない。人を研究すれば、やるべきことはすべてわかる。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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