電気代が年間20000円アップで悲鳴。無理のない節約で賢く夏を乗り切る秘訣とは?

2022.07.08
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東京では9日連続の猛暑日を記録するなど暑い日が続いています。健康に配慮すれば、エアコンは欠かせない状況ですが、電気代が心配と思う人も多いのではないでしょうか。原油高騰、ウクライナ侵攻、インフレ、円安などの影響で、電気代は今後も高くなる可能性があります。夏と冬は電気代が高くなりがちですが、電気代を工夫できる余地もたくさんあります。

月の電気代は昨年比2000円弱増加

東京電力資料を元にNHKが作成した資料によれば、2021年と比べ、2022年の2月〜5月は、1700円前後、月の電気料金が高くなっています。

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出所:NHK

また、こちらの図を見ると、1月ごとに200〜300円ずつ増えていることもわかります。この水準で増えていくならば、電気代だけで、昨年比で年2〜3万円増える計算です。

原油高騰、ウクライナ侵攻、インフレ、円安などの影響で、電気代は今後も高くなる可能性があります。またここにきて、異常気象により、暑い日が続けば、夏の電気代は凄いことになりそうです。

何もせずにいれば、電気代高騰により家計が苦しくなることは目に見えています。電気代を節約するにあたり、まずは電気料金の内訳を見ておきましょう。

電気料金の内訳「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」

まず抑えたいのが、電気料金の内訳です。基本は「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の3つの料金の合計です。

「基本料金」とは、電力会社との1契約あたりの料金です。

契約アンペア数で決まり、電気を使う・使わないに関わらず、必ずこの料金は支払う必要があります。ただし、まったく使わなかった月は割引になることも。

例)東京電力エナジーパートナーの場合

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契約アンペア数を50Aから40Aにすると、毎月286円、1年で3432円の節約になります。契約アンペア数は「電気料金のお知らせ」にも記載がありますが、ブレーカーの色でもわかります。

ただし、契約アンペア数を小さくしすぎると、消費電力の大きい「エアコン」「炊飯器」「電子レンジ」「ドライヤー」などを複数同時に使うとブレーカーが落ちる、ということがたびたび起きてしまいます。

(参考)家電製品の消費電力(W)

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※消費電力100Wで1A(100Vの場合) 「家庭の省エネハンドブック2022」を元に筆者作成

続いて、「電力量料金」です。使用する電気の量によって変動する料金です。

計算式は
「電力量料金=1kWhあたりの単価×使用電力量(kWh)±燃料費調整額」
となっています。電力量料金は、「1kWh」を基本の単位として単価が設定されています。

東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」の場合は次のとおりです。

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燃料費調整額とは、燃料費調整制度に基づいて決められる発電の燃料費のことで、燃料の価格変動が電気料金に反映されるのは3~5カ月後となっています。

燃料価格が安くなれば差し引かれますが、価格が上昇すれば加算になり、電気代は高くなります。昨今は、原油の高騰、インフレ、円安など燃料費調整額は高くなる要因が増えています。

最後に、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。

再生可能エネルギー発電とは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスのうちいずれかで発電した電力を指します。発電した電力は国が一定価格で買い取ります。
ただし、買い取りに必要な費用は、電気を使う人が使用量に応じて負担しなければなりません。単価は全国一律になるように調整されており、本稿執筆時点では1kWhあたり、3.45円です。

■電気代を節約するには「基本料金」「電力量料金」をいかに抑えるか

電気代は、ここまで解説したように、さまざまな要因で決まることがわかりました。
自力で電気代を抑えるためには、「基本料金」と「電力量料金」の2つがポイントです。

●「基本料金」「電力量料金」の両方を抑えるためには

電気代は、電力会社を変えるだけで減らせる場合があります。

電気料金の比較が簡単にできるサービス「エネチェンジ」を活用すれば、お得な電力会社を提案してくれます。お住まい、家族構成、契約アンペア数、普段の電気使用量などによって節約できる電気代は変わってきますが、年間数千円〜1万円程度は節約できるプランを提示してくれるケースが多いようです。

また、電気とガスを同じ会社から購入する「セット割」を活用することでも電気代を節約できます。たとえば東京ガス「基本プラン・ずっとも電気3」の場合、戸建て3人世帯で年1万200円の電気・ガス代の節約につながります(新規申込時の電気代基本料金3ヶ月無料を含む)。関西電力「なっとくパック」でも同様で、電気・ガスの同時契約で年1万500円の節約につながります。

電気代の基本料金は、上述の通り、契約アンペア数を下げることで減らすことができます。

契約アンペア数は40Aあれば、複数の家電を同時に使っていてもブレーカーが何度も落ちることは起こりにくいでしょう。契約アンペア数が50Aや60Aであれば、40Aにすることで月数百円は節約することが可能です。

すでにご紹介した「家電製品の消費電力(W)」の表を参考に、契約アンペア数を下げても問題ないか、普段の電力利用状況をもとに判断しましょう。

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