電気代が年間20000円アップで悲鳴。無理のない節約で賢く夏を乗り切る秘訣とは?

2022.07.08
 

■「電力量料金」を抑える節電方法

ここからは、「電力量料金」を抑える節電方法をいくつかご紹介します。資源エネルギー庁によれば、夏の日中の電力消費は、エアコンによる消費が半分以上を占めるそうです。

●エアコンの省エネ「こまめにオンオフしない」

エアコンのスイッチをこまめにオンオフするよりも、つけたままで室温を一定に保つ方が節約になります。つまり1時間程度の外出であれば、エアコンを消さないほうが節約につながります。エアコンを消すと、室温は外気温と同じくらいになっていきます。夏の場合は、室温がどんどん上昇していきます。

この室温を下げるために、エアコンをつけるわけですが、エアコンは設定温度を目指して一気に冷やそうとするため、エアコンを入れた直後は消費電力が大きくなるというわけです。

●エアコンの省エネ「設定温度を1度上げる」

外気温度31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から1℃上げた場合(使用時間:9時間/日)、年約800円の節約になります。

●エアコンの省エネ「フィルタをこまめに掃除する」

月2回程度、エアコンのフィルタを掃除することで年約850円の節約になります。

●エアコンの省エネ「使用時間を1日1時間減らす」

エアコンの冷房設定温度が28℃の場合、使用時間を1日1時間減らすことで、年約500円の節約になります。

●エアコンの省エネ「風向きを調整」

冷房時の風向きは上向き、暖房時は下向きに調整しましょう。

冷たい空気は床に溜まり、暖かい空気は天井に溜まる傾向にあるので、扇風機やサーキュレーターと併用することで冷暖房の効果を高められます。扇風機やサーキュレーターの消費電力は低く、併用することで、冷房の設定温度は高めに、暖房は低めにできるので電気代の節約につながります。

●エアコンの省エネ「窓の断熱性能を上げる」

「住宅の省エネリフォームガイドブック」によれば、外から室内に伝わる熱の7割以上は窓からのようです。つまり、窓の断熱性能を上げることで冷房効果を高めることができるので、電気代の節約にもつながります。

東京都は「既存住宅における省エネ改修促進事業」の中で、高断熱窓または高断熱ドア設置に係る費用の一部を助成しています。高断熱窓の助成率は1/3(1戸あたり100万円が上限)、高断熱ドアの助成率は1/3(1戸あたり16万円が上限)となっています。自治体の助成がある今、節電対策としても設置するのも良いでしょう。

また、窓の内側ではなく、窓の外側にすだれや日除けを行うことで、より冷房効果を高められます。カーテンを遮熱や遮光にしたり、窓にシートを張ったりするのもいいでしょう。遮熱の性能は、冬場も部屋の温度を下げない効果があります。

●冷蔵庫の省エネ「冷蔵室はぎっしり詰めるよりもゆとりがポイント」

冷凍室は詰めて収納したほうが温度を保てるので電気代節約につながりますが、冷蔵室は冷気が噴き出す通気口と中心部を開け、ぎっしり詰めるよりもゆとりを持って収入した方が効率よく冷やせるので節約になります。冷蔵庫に詰めすぎないことで、年約1200円の節約になります。

また、冷蔵庫は設置場所もゆとりが重要です。冷蔵庫には、熱を外に逃がす放熱板があり、放熱板をふさいでしまうと、余計な電力がかかり電気代が増えます。

冷蔵庫の上にものを置かない、壁にぴったりつけないようにしましょう。冷蔵庫と壁の間に適度なスペースを空けることで、年約1200円の節約になります。

●エアコン・冷蔵庫など消費電力の大きい家電を買い替える

家電製品の省エネ技術は年々進化しているので、数年前に買った家電であれば買い替えることで省エネにつながり、電気代の節約ができます。

「しんきゅうさん」の試算によると、10年前の冷蔵庫やエアコンを買い替えるだけで、年数千円の節約になるようです。

●冷蔵庫の省エネ「設定温度を中にする」

冷蔵庫の庫内温度を「中」や「弱」にすると、「強」よりも庫内の温度は高くなりますが、食材の保存に適さない温度ではありません。「強」から「中」にすることで、年約1500円程度節約することができます。

また、扉を開ける時間を短くする、熱い温度のものは冷ましてから入れるなど、庫内の温度を上げない工夫をすることで、省エネになり電気代を節約することができます。

また、次のようなちょっとした努力でも節約ができます。

  • 使っていない電化製品のプラグを抜く:年約6100円
  • 電気ポットで保温しない:年約2900円
  • 電球をLEDランプに取り替える:年約2400円
  • 炊飯器で保温しない:年約1200円

以上参考:「省エネポータルサイト」「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬」

原油高騰、ウクライナ侵攻、インフレ、円安などの影響で、電気代は今後も高くなる可能性がありますが、そんな中でも私たちは生活していかなければなりません。

省エネを行うことで電気代の節約をすることは可能です。今回ご紹介した節約術を一つでも多く実行し、値上げラッシュを乗り越えていきましょう。

プロフィール:頼藤太希(よりふじ・たいき)
Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『はじめてのFIRE』(宝島社)、『1日1分読むだけで身につくお金大全100』(自由国民社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員。

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頼藤太希

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