東京五輪のレガシーのすぐそばにあるゴミの山から目をそらす社会

Tokyo,,Japan,-,Nov,1,,2019:,Olympic,Symbol,Logo,At
 

昨年行われた東京五輪はコロナ禍という異例の状況でありながら、無事にその幕をおろしました。その後、五輪を象徴する建物はレガシーとして残されましたが、そのすぐ傍らにあるのは、ごみの山でした。メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』著者の引地達也さんがよく見かけるというそのごみの山から感じたことを語っています。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

初月¥0で読む

東京五輪のレガシーの陰にあるゴミの山からの第一歩

2021年に延期されて開催された東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会が役割を終え、解散した。

コロナ禍でほぼ無観客で行われた異例の大会を取り仕切った組織の上層部は「レガシーを残した」という思いが強いようだが、一般の職員はコロナ禍の逆風の中で「やりきった」「やりきれなかった」との思いが相半ばとの声を関係者から聞いた。

ただアスリートのパフォーマンスの高さは多くの人の思い出に刻まれたのは事実であろう。

その美しい彼・彼女らの影にあって私が日々、自転車に乗りながら目にする東京都湾岸地域のごみの山は五輪開催中も今も変わらず、トラックが行きかう大きな道路の路肩や中央分離帯、高架の下などで大量に破棄され続けている。

五輪競技会場の近くでも、選手や関係者が通る道は清掃が行き届いていたかもしれないが、少し離れてしまえば不徳の塊のように、朽ちることのない不燃物のごみたちは、変わることはない。

これらのごみを見るたびに何とかならないかと、このごみの現場が多い東京都大田区東海に事務所がある就労継続支援B型事業所みんなの大学校大田校で清掃を請け負うことなど考えてみるが、自治体がその問題意識を持っているかは不安だ。

この湾岸一帯はきれいな公園があったかと思えば、清掃の行き届いていない遊歩道やごみが散乱する大田市場の片隅など、首都東京の闇の部分を見るような場所が点在する。

1年以上も同じゴミが置かれ続けている場所もあるから、それは放置されているのであろう。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

初月¥0で読む

外国に行った際には空港から市街地に行く中で郊外の一画でごみを目にすることはよくあるが、アジアや欧州などのそれらの地域に比べ、日本でのごみはあきらかに「誰かが無作法に捨てたもの」の集まりであり、その捨てる側の動機やそれを見て見ぬふりするこの社会に居心地の悪さを覚えるのである。

print
いま読まれてます

  • 東京五輪のレガシーのすぐそばにあるゴミの山から目をそらす社会
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け