ホンマでっか池田教授が指摘。露呈したEU「エネルギー政策」の嘘

 

先に述べたようにSDGsというお題目の下にCO2を削減するというのは、EUの対世界戦略で、別に崇高な理念に基づいてやっているわけではないことがよく分かる話である。ロシアはウクライナの肩を持つEUへの対抗措置として天然ガスの供給を意図的に絞って、EUを兵糧攻めにしようとしているが、これに対抗するには原発、火力、再エネなどでの発電を推進するほかはない。

CO2の削減を政策に掲げている手前、普通に考えれば、火力発電の選択肢はなさそうに思える。フランスは、既存の原発が老朽化して発電能力が低下していることもあって、原発を最大14基新設して、脱炭素社会のトップランナーにならんと意気盛んである。フランスやドイツは地震が少なく、原発の設置はそれほど危険ではない。日本のように地震が頻発する国では、原発は危険極まりない装置である。地震の多い台湾やイタリアでも原発を最終的には廃止する方針を固めている。本題から外れるけれども、日本も原発は最終的には廃止した方が国の安全保障に資すると思う。

安全保障と言うと、戦争のことだけを考える人が多いと思うが、国民の命を守ることが、何であれ最も大事な安全保障であり、原発は戦争の時の標的にされるという危険性を割り引いても速やかに廃止した方が賢いと思う。それに、戦争は外交的な努力によって回避することができるが、地震は人間の努力によっては回避できない。(メルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』2022年7月8日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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