安倍氏と統一教会は「ズブズブ」だったのか?元信者が自ら明かす“実態”

2022.07.20
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次に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会本体)と、UPFや勝共連合、原理研究会(CARP)、ハッピーワールド(商社)、世界日報、世界平和教授アカデミーなど関連組織との関係だが、少なくとも私がいた1992年頃までは、組織相互の関係がぎくしゃくし、これが同じ宗教を信じる人たちかと思うくらい仲が悪かった。世界日報が他の組織と決定的に仲違いして、訣別しようとする事件さえあった。

もともと、荒っぽくて激しい活動が好きな人が信者になる傾向があるところに、文教祖が、それぞれの組織を率いる幹部たちの間の競争を煽っていたふしがある。彼らは、自分こそ一番信仰心があることを、お父様(文教祖)に認めてもらおうと張り合う。日韓関係について、世界日報+勝共連合とCARPが真っ向から対立したこともある。どこかの組織が渉外活動で、政界や財界の有力者と良好な関係を築いても、他の組織には口出しさせなかった。そういうこともあって、互いのやっていることを詳しく知らなかった。世界平和統一家庭連合が、UPFと安倍氏の関係をよく知らないというのはあながち嘘ではないかもしれない。

山上容疑者の母親がどれくらい献金し、それで破産してしまったという事実を、家庭連合の本部が把握していなかった、というのも本当のような気がする。組織間で仲が悪いだけでなく、統一教会本体の中でも、布教や物販のやり方について統一性がなく、各地区の教会が独自のやり方で実績を上げようとしていた。責任者たちが実績をあげて自分の信仰を証明しようと競い合う。中には暴走して、他の信者から見ても明らかに詐欺と思えるようなこと――例えば、霊界から突如啓示を受けた(教会とは関係のない)霊能者を装うなど――をする者も出てくる。

文教祖は、〇〇のプロジェクト――ワシントン・タイムズの買収や北朝鮮への投資など――を進めるために▼▼億円くらい必要だと、日本の幹部たちに伝えるだけで、誰がどういう方法で稼いだかについてはほとんど関心を持っていないようだった。そのくせ霊感商法問題のようなことが起こると幹部たちを叱りつける。幹部たちはかなり追い込まれていて、下の者たちがどうやって金を作っているかあまり把握していなかったし、多額の壺や多宝塔を買った人の状況を細かく記録し、本部に報告するようなシステムはなかった。当時よりも組織がかなり弱体化しているであろう現在、情報管理だけはきちんと整備されるようになったとは考えにくい。山上容疑者の母親に直接事情を聴けば、把握できそうだが、そういう当たり前のこともすぐにはできない、いい加減な団体なのである。

宗教団体のくせに、内部での張り合いが原因で法的問題を起こしたり、信者やその家族の生活をちゃんと把握できていないのは根本的におかしい、という批判なら当たっていると私も思うが、日本を支配する極秘作戦のために、システマティックな集金装置を構築しているというのはかいかぶりすぎだ。

また、統一教会がものすごい洗脳技術を持っていて、一度入信すると、完全に心が支配され、脱会すると、霊たちにせめられ地獄に落ちるという恐怖を植え付けられるので、脱会は極めて困難だ、というのも妄想だ。特別な技術などない。集団生活して、一緒に祈祷したり、説教を聴いたり、物売りや布教のきつい実践をしているだけである。それらだけでも、効果的に組み合わせれば、十分マインドコントロールできると主張する人もいるだろうが、効果的に組み合わせることのできる心理学のプロを統一教会が抱えているわけではない。行き当たりばったりにやっているだけである。現に、いつのまにか信者をやめていたという人は、私が信者だった間もかなりの数いた。ほんの少しだけ教会に通い、数万円献金したくらいであれば、黙ってフェードアウトする。

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