安倍氏と統一教会は「ズブズブ」だったのか?元信者が自ら明かす“実態”

2022.07.20
 

脱会しにくいのは、既に集団生活している人や多額の献金をして、生活が苦しくなっている人たちだ。そういう、なかなか脱会しにくい人たちを生み出してしまう仕組みが問題だというのであれば、その通りだが、それを全て「洗脳」とか「マインドコントロール」という言葉で片付けようとするのは、他人の人格を貶める卑劣な発言である。そもそも、統一教会が関わった人間を全てマインドコントロールできるほどのすごい技術を持っているとしたら、世の中に安倍元首相や統一教会を誹謗する悪口ツイートがこんなに出回っているはずがない。彼らは、悪口ツイートをしている自分自身が、マインドコントロールで操られて、実は“統一教会”の利益に貢献しているとは思わないのだろうか。

私が、洗脳が解けない状態で元信者としてメディアに出て統一教会を事実上擁護している、と言っている連中は、暇なツイッタラーに見破られる程度の雑な洗脳を私に施すことが、統一教会にとってどんなメリットになると思っているのだろう。それとも自分たちには、真実を見抜く目があるとでも思っているのだろうか。

統一教会にいた時代から思ってきたことだが、統一教会に固執する左翼の人たちは、自分たちが教団の組織力、政界支配、洗脳技術などを過大評価することで、統一教会を実際より遥かに大きな存在に見せ、自民党等に売り込んでやっていること、また、見当外れな認識に基づく批判をすることで、信者たちの結束を強めていることに本当に気付いていないのだろうか。彼らの中には、トーイツやアベの悪口を言わないと生きていけない、かわいそうな人たち、「負の入信」をしてしまっている人たちがいるのではないかと思う。

金沢に、たびたび私につきまとい、何かイベントをやりましょう、と持ち掛けてくる元左翼活動家の老人がいる。2~3度話をしただけなのだが、何故か、自分は仲正関係のイベントを仕切る権利があると思い込んでいるようである。相手にしても何のメリットもなさそうなので、ずっと無視していたのだが、私が『情報ライブミヤネ屋』にビデオ出演した14日の深夜、12時すぎにどうやって調べたのか、金沢大学の宿舎の私の部屋の前にやってきて、ブザーを何度も鳴らし、近所迷惑も顧みず、「どうしてインタビューを受けたんだ」、と大声でがなりたて、ドアを乱暴に叩く。面倒なのでドアをあけず、今立て込んでいると言ったら、いったん帰った。その2日後の16日の夕方、私がうっかりしてドアの内鍵を閉め忘れていたため、それをいいことにドアを開け、玄関先にまで入り込み、「センセー、センセー」、とまたもや近所に聞こえるようにわめくので、無言でドアの外に押し出し、建物の外にまで押していった――怒鳴りつけると、相手にしてほしがっているこの老人を喜ばせることになるので、一言も発しなかった。この老人は、私を大声で脅せばいうことを聞かせられる、ひ弱なインテリとでも思って甘くみていたのだろう――なめられたものである。痛い目に遭わせるのを恐れたのか、「やるのか!」と力なくすごみながら、帰っていった。

アベやトーイツの陰謀論を生きがいにしているのは、こういう奴らなんだろうと感じた。念のためにもう一度言っておくが、統一教会や安倍元首相を事実に基づいて批判するのは何の問題もない。むしろ、どんどんやるべきだと思う。そこに、批判と中傷誹謗の区別がつかない、アンチ・カルト依存症の輩が便乗してきて、混乱させ、真面目な批判をかき消すことが問題なのである。

プロフィール仲正昌樹なかまさまさき
金沢大学法学類教授。1963年広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修了(学術博士)。専門は政治・法思想史、ドイツ思想史、ドイツ文学。著者に『今こそアーレントを読み直す』(講談社)『集中講義!日本の現代思想』(NHK出版)『カール・シュミット入門講義』(作品社)など。

image by: Chengwei Tu / Shutterstock.com

仲正昌樹

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