日本国民ダマし韓国へ数百億円の上納金。統一教会「政界工作」の悪質手口

 

オウム真理教事件が一段落ついた後、警察庁や警視庁は統一教会の捜査に本腰を入れようとしたが、なぜか取りやめになった。警察幹部から「政治の力が働いてダメだった」と聞いたと、ジャーナリスト・有田芳生氏(前参院議員)はネットメディア「デモクラシータイムス」で証言している。

東西冷戦下の1968年、反共産主義政治団体「国際勝共連合」を岸信介元首相の協力のもと日本に設立した統一教会開祖、文鮮明氏は共産主義にどう対応していくかという政治的テーマを掲げて、日本政界に「統一原理」にもとづく政策を浸透させていった。

井上義行氏が参院選の演説で「私は信念で言っているんだ。同性婚には反対ということを」と叫んだのは、家父長的秩序を重んじる統一教会の思想をアピールしたかったからだろう。性的少数者(LGBTQ)を差別したり、選択的夫婦別姓に反対する議員が自民党内に目立つが、日本会議とともに統一教会の影響もうかがえる。

長年にわたり統一教会を取材している鈴木エイト氏によれば、文鮮明氏は「まず秘書として食い込め。食い込んだら議員の秘密を握れ。次に自らが議員になれ」と教会幹部に指示、秘書養成所で訓練された信者が自民党国会議員のもとに送り込まれ、秘書や運動員として活動してきたという。

統一教会の政界工作の一端を有田氏はこう語る。「国会に女性信者のPRチームが定期的にやってきて、文鮮明教祖の本を渡すなどしてロビー活動をしてるんです。今もやってます」

統一教会が政界への働きかけをより強化し始めたのは、2009年に霊感商法の販社が警視庁に摘発されたのがきっかけだった。教会本部に捜査の手が伸びる寸前、警察官僚OBの政治家に口利きを依頼し、危ういところで難を逃れた。

鈴木氏によると、そうした危機を招いたことに対する教会の反省は「政治家対策を怠っていた」のただ一点。そこで、政治工作を再び本格化させた時期が、ちょうど2012年12月の第2次安倍政権のスタート時と重なっていた。

教会の目論見通りにコトは進んだ。霊感商法のイメージが強い統一教会の名を変更しようとして文化庁に拒否され続けてきたが、安倍政権になってようやく認められ「世界平和統一家庭連合」に改称した。

警察の取り締まりも緩くなった。第2次安倍政権で国家公安委員長に登用された山谷えり子、小此木八郎、武田良太氏はいずれも統一教会に近いとされる。

統一教会の日本会長が首相官邸に招待されたり、教団関連政治団体「世界戦略総合研究所」の事務局次長が「桜を見る会」に招かれたこともあった。

しかし、こうしている間にも、日本の国会に教会の影響力は浸透していった。

2016年に統一教会が立ち上げた「世界平和国会議員連合(IAPP)」の創設大会には当時の閣僚5人を含む63人の国会議員が出席した。日本の議員連合会長は原田義昭元環境相、名誉会長は細田博之衆院議長である。

鈴木氏は「表向き平和運動を掲げる同議員連合の目的は、世界各国で統一教会をその国の宗教つまり国教とする“国家復帰”戦略にある」と指摘する。

にわかには信じがたいが、本当だとしたら細田議長は知らずに参加しているのだろうか。「伝統と文化、国の栄光」を重んじる日本会議が聞けば、目をむくような話である。

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