統一協会から目をそらす「安倍マンセー派」に小林よしのり氏が“贈る言葉”

 

しかもこの上に、統一協会の問題が加わるのだ。

ジャーナリスト・鈴木エイト氏が公表したリストによれば、統一協会と関係のある国会議員は112人で、うち98人が自民党議員、中でも安倍派が35人に上る。しかも、まだ公になっていない議員は他にもいると考えられるという。

明らかになっているだけで、自民党の国会議員の4分の1以上が関わっているというのだから、びっくり仰天である。

しかも、警察組織を管理する立場にある国家公安委員長までも、統一協会の関連団体が主催するイベントの「京都府実行委員会委員長」を務めていたことを認めている。全く狂気の沙汰であり、そしてそれは全て第二次安倍政権発足以降に顕著になったことなのである。

中でもわしが特に重視しているのは、2013年の参院比例で初当選した元産経新聞記者・北村経夫への選挙協力の件だ。

統一協会の内部文書には、安倍から直々に北村を後援してほしいとの依頼があったと記され、さらに「まだCランクで当選には遠い状況」だった北村を当選させることが「組織の『死活問題』です」と書かれていたという。

その結果、北村は当選。二期目を目指した2019年の選挙でも、初当選時と同様に盤石な地盤を築けていなかったにもかかわらず、安倍が選挙直前に慌てて統一協会に支援を依頼し、再選されたといわれている。

広告塔として利用されていたという程度なら「知らないうちに悪用されていた」なんて言い訳もできなくはないが、安倍が自ら直々に統一協会(カルト団体)に後援を要請し、票の差配をして当選したとなれば、致命傷ではないか?

公明党・創価学会に協力してもらうのが当たり前になって、完全に感覚がマヒしていたのかもしれないが。

いずれにしても、安倍晋三と統一協会の間には「ズブズブ」程度の言葉では言い表せないくらいの関係性があったのは間違いないし、このままいけばこれからも事実がどんどん明るみに出されるだろう。何しろ30年分の事実が眠っているのだから。

だが、否定しきれないほどの事実が出てきた時に、自民党・ネトウヨ・安倍マンセー派たちがどうするかは目に見えている。

居直り始めるのだ。森友学園の時のように。

どんな事実が出てこようと、「それくらいはよくあること」だの、「ちょっと名前を貸しただけ」だの、「悪用されただけ」だのと言い始めて、どれだけ非難の声が挙がっても「それが何か?」とばかりに、大したことではないかのように相対化していく。それを、世論が飽きて関心を失うまでひたすら繰り返すのだ。

森友学園の時は、結局はその手で乗り切ってしまった。自殺者まで出してしまったにもかかわらずである。自民党はそれに味を占めて、今度もその手で行けると高を括っているに違いない。

自民党の茂木幹事長は「自民党として、組織的な関係はない」と白々しく弁明したが、その一方で安倍の実弟・岸信夫防衛大臣は「旧統一教会の方と付き合いもあるし、選挙の際にも手伝ってもらっている」と、開き直って関係を認めている。

岸はさらに、「旧統一教会に手伝ってもらったというよりは、旧統一教会のメンバーに、ボランティアでお力をいただいたということだ。選挙なので、支援者を多く集めることは必要なことだと思っている」と言っている。

選挙のための、普通のことをやっているだけというような言い方までするのだ。

さらに福田達夫総務会長に至っては、「なんでこんなに騒いでいるのか、正直な話、よく分からないというのがあります。正直言います。何が問題なのか、分からない」とまで発言している。

この無神経が凄すぎる。なぜこんなことを平然と言えるのか?カルトとの関わりを何とも感じないのは、そいつもカルトだからだとしか思えない。

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