【有田芳生×多田文明 Vol.1】なぜ統一教会は塾を経営し、町のゴミを拾い、ハマチを輸出するか?日本を侵食するカルトの長期戦略

2022.12.02
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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安倍晋三元首相の銃撃事件をきっかけに、世論の注目を集めている「旧統一教会」問題。日本の政界や法曹界が、教団の教義を実践させるためという理由で汚染され、私たちの想像をはるかに超えたところにまで浸透するなど、日常を脅かす存在になっています。この統一教会問題について30年以上にわたって取材・追及を続けているメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』発行者でジャーナリストの有田芳生さんと、かつて旧統一教会の信者でメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』発行者でもあるジャーナリストの多田文明さんの対談が、まぐまぐ!LIVEで配信されました。今回のクロストークの模様をテキストにて特別に公開いたします。 (この対談をYouTubeで見る | Voicyで聴く

● 有田芳生×多田文明 Vol.1
● 有田芳生×多田文明 Vol.2
有田芳生×多田文明 Vol.3
有田芳生×多田文明 Vol.4

有田芳生(ありた・よしふ):
1952年生まれ、ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。2022年12月より、まぐまぐのメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』が好評配信中

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多田文明(ただ・ふみあき):
1965年生まれ、ルポライター、ジャーナリスト。統一教会元信者。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。2022年9月からまぐまぐのメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』が好評配信中

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司会:内田まさみ(フリーアナウンサー)

有田芳生×多田文明 旧統一教会問題追及の急先鋒2人が、テレビが伝えない教団問題を斬る!

内田まさみ(以下、内田):今回のテーマは「旧統一教会問題追及は魔女狩りではない。元信者・ジャーナリスト視点で斬る、二世信者、霊感商法、高額献金問題と解散命令」という非常に濃い内容でございます。本当に今、政界を揺るがすような問題になってきた、この旧統一教会問題を、有田さんはどう捉えていますか。

有田芳生(以下、有田):安倍さんが7月8日に山上徹也容疑者に銃撃されていなければ、日本の政治だけではなくて、日本社会に旧統一教会が、あえて統一教会って言わせていただきますけれども、これだけ浸透していたことは分からなかった。国会議員や地方議員、地方政界との関わりが深かったっていうのも、びっくりなんだけれども、実はもっともっと我々の身近な世界にも、統一教会ってのはもう何十年も前から、浸透しているんです。

内田:私たちが気づいていないほど、身近に存在していたんですか?

有田:商品や飲み物とかね。あるいは、練馬では塾も経営してるんです。

内田:塾ですか?そうすると、子どもにも身近になっている。

有田:もちろん統一教会の教えを塾で教えるわけではないんだけれども、住所とか名前を知ることによって近づいてくる。練馬でも東京の板橋でもそう。

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有田芳生氏

全国各地で「街をきれいにしましょう。一緒に町の掃除をしましょうよ」って言ったら、「いいですね」って言う人多いでしょ。それが気が付いたら統一教会だったとか…だから掃除すること自体は良いんだけども、そこで名前と住所を知られることによって、だんだん近づいてくるっていうのが彼らのやり方ですよね。

多田文明(多田):やっぱり上手いですよね。私も社会福祉協議会など、色んなところに話を聞きますが、やっぱり「募金しますよ」って(相手から)言われたら、皆さんは「善意なので受け取らざるを得ない」って言うんです。「どうやって拒否したらいいか分からない、その基準が分からない」って言うので「色々こういうふうにして(教団は)お金を集めているんですよ」と拒否する理由を言ったら「そうなのか」と。だから、旧統一教会、私もこれからは統一教会と言いますけど、常に善意を盾にしてやってくるので、みんな拒否できない。ここがポイントです。

有田:私は講演が最近多くて、全国各地、北海道から沖縄まで行ってお話をするんだけれども、統一教会って、今テレビや新聞でやっているのは政治家との関わりとか、あるいは地方議員との関わりっていうのは、よく出ていますけれども、でもそんなもんじゃないんですよ。もう身近にあるんですよと。ある商品を出して「これ、皆さん飲んだことあるでしょう」って言うと、ざわざわざわってするんです。

内田:それぐらいもうみんなが知っている商品なんですか。

有田:もちろん。全国どこのコンビニに行ってもあります。それを右のポケットから出して「それだけじゃありません」。左のポケットからまた出して「これ皆さん飲んだことあるでしょう」と言うと、ざわざわざわってするんです。だけど、それだけではなくて、もっと怖い側面もあって、それは後で多田さんと話をしたいと思うんですけれども、例えば、今、日本からアメリカに一番多くハマチを輸出している会社は、統一教会系企業のものなんです。

内田:水産関連が多いなんて話は、テレビ番組でも見たような記憶がありますけど。

有田:僕は練馬に住んでいて、一心天助っていう一つの心の天助「かわいいかわいい魚屋さん」という音楽を流しながら魚を自動車で移動販売するのを、団地とか住宅街とかでよく見かけたんです。それを東京の講演で話すとざわざわして、「あー」と皆、顔を見合わせるんです。それを大阪でも話したら、大阪でもざわざわ。だから、もう全国でやっているんです。この間も広島でも言ったら、左側にいた女性たちは顔を見合わせていたりした。魚屋さんもやっていたんです。

内田:飲み物もやって、魚屋さんもやって、塾もやって。

有田:英会話教室もやっているし。だから、政治っていうと、ちょっと遠い世界に見えるけども、身近なところにある。多田さんは信者の時に何かやってなかったの?

多田:私は教育担当で、そういったところで教育した人を外に輩出するっていう立場だったので、外の世界まではなかなか見えなくて。有田さんが、ずっと旧統一教会問題をやってきてくださったので、統一教会を辞めてから、その情報に接して、ああそうだったんだと初めて気づきました。中にいると情報統制されているので、必要な情報しかやっぱり教えられなくて。だいたい伝道と献金の話ばかりなので、有田さんの話は、非常に参考になりました。当然、中にいたときは、有田さんは、もうサタン中のサタン。

多田文明氏

多田文明氏

有田:喜ばないで(笑)。

多田:いやいや。辞めてから会った時に、どこがサタンなんだって。全然サタンでもなんでもないじゃないですか。カラオケで小指を立てていたら指摘してくれるぐらいの方ですからね。統一教会の中では有田さんがサタンだって言うんだけど、有田さんが何を言ったか知らないんです。

内田:知らされてないんですね。

多田:絶対言わないんです。内容を見ちゃいけないし、サタンの物には触れちゃいけないんだけど、上の人がサタンだって言うから、有田さんはサタンの一派としか思っていないんです。だから、内容を知らないんです。

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