今も世論の注目を集めている「旧統一教会」問題について30年以上にわたって取材・追及を続けているメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』発行者でジャーナリストの有田芳生さんと、かつて旧統一教会の信者でメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』発行者でもあるジャーナリストの多田文明さんが、統一教会の深層に迫った対談のVol.4をお届けいたします。国会議員たちを「信者にする」という意向で続けられた政界工作とは? Vol.1、Vol.2、Vol.3に続き、クロストークの模様をテキストにて特別に公開します。(この対談をYouTubeで見る | Voicyで聴く)
● 有田芳生×多田文明 Vol.1
● 有田芳生×多田文明 Vol.2
● 有田芳生×多田文明 Vol.3
● 有田芳生×多田文明 Vol.4
有田芳生×多田文明 政治家の秘書として入り込んだ統一教会の信者たち
(前回「Vol.3」からの続き)
有田芳生(以下、有田):90年に国際勝共連合の思想新聞っていう機関紙が、勝共推進議員(共産主義に勝つことを推進する議員)の105人の名簿を発表したんです。その時に、細田さんが入っていたかな。それが初めてか。90年ね。
多田文明(以下、多田):色々調べて90年に初当選というから、僕は、総選挙の表にはオウムがいて、裏には統一教会がいて(自民党を応援)、そういう意味でもあの総選挙はピークだったのかなって本当に思いました。それがずっと続いていて、文鮮明が安倍派を応援する発言とか色んなこともあって、そういったもので、私たちに色々圧があったんだろう。
有田:政治家の秘書には入っているんだけど、今でも。そういうのは聞かなかったんですか?
多田:秘書にどんどん入っているという話は散々聞いています。ただ、誰がどう入っているかは当然知らないです。統一教会員であることがバレると問題だから、そういう人たちには「統一教会は辞めたと言え」という指示を出しているみたいな話は聞いていました。
内田まさみ(以下、内田):それを雇っている政治家も知っているわけですか?
多田:知っているでしょうね。たぶんね。
有田:この8月に僕、安倍さんとものすごく親しくて大臣をやった人と話していて、その人は「有田さん、今でもいっぱいいるよ」って言ってました。
内田:そうですか。分かっているんですね。
有田:優秀なんだって言っていました。
内田:そうすると、色んな政策の中にもやっぱり統一教会の意見なりが組み込まれてしまっているって、もう考えたほうがいいわけですね。
国会議員たちを「シンパどころか信者にする」という教団の意向
有田:例えば、緊急事態条項とか、自衛隊を9条に位置付けるとか、家族を大事にするとかっていう基本的な憲法改正は、自民党の政策と国際勝共連合や世界平和連合は一緒なんです。似ているのか浸透しているのか。
多田:文鮮明の言葉もそうでしょうけれども、議員たちをシンパどころか信者にするっていう意向がありますから、勉強会とかはそこそこ開いているんだろうなと、私なんかは思っていますけどね。統一教会というのは、必ず修練会やセミナーを行って、パターン化して教え込みをしていくので、まずはそういったところに連れ込んで、議員だけじゃなく秘書も一緒に勉強させて思想統一させて、それを反映させるっていうことは、多分やっているんじゃないの?っていうように私は思っています。
内田:今回、「質問権行使」っていう話が出ていますよね。そういう、今までは考えられなかったことが、今回行われる可能性がある。
有田:宗教法人法が96年に改正されて、質問権から調査権というのができて初めてのことなんだけれども、非常に危ないなと思うのは「質問して何も問題ありませんでした」ということになったら、お墨付きを与えちゃうことになるわけでしょ。宗教法人法の解散の方向に向けて質問するわけだから、本当に政権が「これは解散させなきゃいけない」という前提で質問・調査をしない限り「何も問題でませんでしたよ」になったら、とんでもないことになっちゃう。
今、岸田政権の支持率がどんどん落ちていますから、解散請求をする可能性は、僕は高いと思っているんだけど、解散請求しても裁判があるから。オウム真理教はすぐに解散になったけど、妙覚寺は裁判をやって3年かかったんです。そうすると、2023〜2025年ぐらいまでかかってしまう可能性がある。