政治家個人より「党」が悪い。自民と統一教会が“組織的関係”であるこれだけの証拠

2022.08.17
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旧統一教会についても、選挙活動の熱心さがメディアに報じられた。国会議員事務所に教会の関係者が、日常的にほぼ無償の形で手伝いをしていた。選挙の時には、信者が動員されて運動を繰り広げていたという。

要するに、日常的には、政治は宗教団体から選挙で票を集めてもらうだけ、あるいは政治献金を合法的に受けるだけとはいえる。だが、問題がないとはいえない。その関係が合法的ではあっても、政治の「道義的な責任」は逃れられないからだ。

安倍元首相を殺害した容疑者の母は、1億円以上も旧統一教会に献金して自己破産したという。宗教団体の中には、信者が借金で自己破産するほど寄付をさせる、信者を洗脳のために監禁するなどの違法行為を行っているものがあるのだ。

宗教団体を、政党の有力な支持団体として選挙活動に使い、政治家がその集会で「神を信じている」などと軽くリップサービスをする。それを信用して入信して破産する人、救済を求める家族が多数いることに対して、政治家の道義的責任は絶対にあるということだ。

さて、ここからは、岸田首相や茂木幹事長らの「旧統一教会との関係は、個々の議員の政治活動であり、党には責任はない」という主張を批判したい。道義的責任は、個々の政治家だけではない。党により大きな責任があるということだ。

青山繁晴参院議員は、自民党では「各業界団体の票だけでは足りない議員については、旧統一教会が認めてくれれば、その票を割り振る」ことをしていたと、個人ブログで明らかにしている。自民党が旧統一教会を「集票マシーン」として利用していたということだが、それは「党主導」であり、個々の議員に主体性があるわけではないということだ。

多くの自民党の議員が、初めて党公認の候補者となり選挙に出馬する前から、旧統一教会と関係があったわけではないだろう。候補者として選挙区に入る時、学校の同級生くらいしか知り合いがいない例も少なくない。その時、党や派閥の幹部、地元のベテランのスタッフから、支持団体など票を入れてくれる組織や人に挨拶をするように指示される。候補者は、わけがわからないまま、言われるままに、いろいろな組織や人に頭を下げる。こういう支持団体の1つに、旧統一教会がある。そこから、候補者と教団の付き合いが始まる。

もちろん、旧統一教会が霊感商法など「反社会的」な活動をしてきたことは候補者も知っている。しかし、知名度もない新人候補者に、支持団体との付き合いを拒否することなどなどできるものではない。初当選した後も、一度票をもらった団体との関係を切ることも、簡単にできることではない。彼らが最も恐れることは落選であるのはいうまでもない。「政治家は、選挙に落ちればタダの人」なのである。

そして、教団の関連団体のイベントに祝電を送ったり、出席して挨拶したりする。逆に教団関係者に政治資金パーティーの券を購入してもらう、等の付き合いがずっと続くことになるのだ。

例えば、旧統一教会と関係があることが発覚し、内閣改造で退任した閣僚の1人に小林鷹之経済安全保障担当相がいる。開成高校、東京大学法学部卒業。大蔵省に入省し、ハーバード大学ケネディ行政大学院修了。その後、退官し千葉二区から衆院選に出馬した。小林氏が自民党の公認候補となったのは、華麗な経歴が証明するように優秀な人材だからだろう。元々、旧統一教会とつながりがあったからではない。むしろ、政治家になるには「東大、ハーバード大を出た優秀な人でも、反社会的な活動をしていることが明らかな組織とつながらざるを得ない」というのが、日本政治の現実なのだということだ。

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