当初は、参拝者のための名物として考えましたが、月日が流れるごとに、そうめん目当ての人がやって来るようになりました。
やがて、地元の人ばかりではなく、遠くからも足を運んでくれるようになりました。
いまでは、お寺の参拝の方がついでになってきています。
そうめんで人気店になったこのお店ですが、地元ならではの料理も出し、わざわざやって来ることの楽しさを増幅させています。
「ぜんまいの煮物」「山菜天ぷら」「わらびの酢の物」「鰊の甘煮」「里芋田楽」「昆布のおにぎり」など、滋味溢れるという言葉がしっくりとくる逸品が用意されています。
「あずき白玉」「ぜんざい」「ソフトクリーム」「瓶ラムネ」なども揃え、高齢の方から小さな子どもまでが楽しめるようになっています。
世間的には存在感の薄れたそうめんですが、この地では、それを目当てに来る人がいるほどの名物として、70年以上も人気を保ってきたのです。
最近では、雑誌やテレビ、ネットなどで取り上げられたこともあり、行列がさらに伸びています。
地方の名物だったものが、全国に知れ渡ることとなり、いまや町おこしに発展したと言っても良いでしょう。
たかがそうめんですが、その秘めたる力を見たような気がします。
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