アベスガ政治を評価?国民にケンカ売る内閣改造で支持率急落の岸田政権

2022.08.25
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報道各社が行った世論調査で、軒並み大きく支持率を下げ続けている岸田政権。「統一教会問題」が大きな影を落としているのは明白ですが、それ以外にも国民が嫌悪感を抱く要因があるようです。その理由のひとつとして内閣改造人事における3閣僚の入閣を挙げるのは、元毎日新聞で政治部副部長などを務めたジャーナリストの尾中 香尚里さん。尾中さんは今回、加藤勝信・西村康稔・河野太郎各氏を再び大臣に指名した岸田首相に対して、安倍・菅政治のもっとも悪しき部分を高く評価し引き継ごうという姿勢が見えるとして、強い批判を記しています。

プロフィール:尾中 香尚里(おなか・かおり)
ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。1988年毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長、川崎支局長、オピニオングループ編集委員などを経て、2019年9月に退社。新著「安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ」(集英社新書)、共著に「枝野幸男の真価」(毎日新聞出版)。

安倍・菅政治の「負の部分」を是認した岸田内閣改造

岸田内閣の支持率が、今月に入って急激に下落している。NHKが8月5~7日に行った世論調査では、内閣支持率は46%と前回比13ポイント減少。毎日新聞と社会調査研究センターが20、21日に実施した調査では36%と、前回の52%から16ポイントも下落した。二つの調査の間で岸田文雄首相は内閣改造と自民党役員人事を行い、局面打開を目指したが、どうやら逆効果となった。わずか1カ月前の参院選で「圧勝」したはずの政権の姿は見る影もない。

今回の内閣改造の失敗について、メディアの評価は「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と多くの自民党のいびつな関係」の1点に集約されている。実際にそこが非常に大きなポイントであることは、筆者も全く同感だ。

ただ、論評がそれ一色になっても、若干味気ない気もする。そこで、今回はそこだけでなく、筆者が今回の人事で心底気持ちが萎えたポイントを指摘しておきたい。

それは「安倍・菅義偉政権の新型コロナ対応」という「悪夢」が、亡霊のように復活したことだ。具体的には加藤勝信、西村康稔、河野太郎の3氏、つまり安倍・菅政権の「コロナ閣僚3兄弟」が、そろって入閣したことである。

10日に行われた内閣改造で筆者が最もあ然としたのは、厚労相に加藤氏を起用したことだ。たまたまその直前、安倍政権における「加藤厚労相」の存在を強烈に思い出させる報道があった。

内閣改造8日前の2日、日本感染症学会など医療4学会が記者会見で、コロナ「第7波」の対応に関して緊急声明を発表した。その中にこんな記述があった。

「37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(中略)重症になる可能性があります。早めにかかりつけ医に相談してください」

忘れもしない。コロナ禍の「第1波」が始まったばかりの2020年2月、当時の安倍政権下で公表された「相談・受診の目安」そのままの表現である。

厚労省が「目安」を発表したのは、2年前の2020年2月17日のこと。感染を疑う人が帰国者・接触者相談センターにアクセスする際に「37.5度以上の発熱が4日以上続く」ことなどを「目安」として提示したのだ。国内初の市中感染者が確認されてから1カ月あまり。水際対策に気を取られていた安倍政権は、国内の市中感染の拡大への対応が大きく遅れていた。

そんな中で公表された厚労省の「目安」。安倍政権が「必要な人に検査を受けさせるために検査能力の拡充を目指す」のではなく「検査を受ける人数の方を貧弱な検査能力に合わせる」ことを優先したのは疑いようもない。全国の現場の保健所が、これを事実上の「条件」と受け止めた。多くの国民が「PCR難民」と化し、重症化する人も生じてしまった。

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