地方行政にまで浸透。日本国が統一教会と手を切ることは可能か?

2022.08.31
 

それでは、どうすれば旧統一教会の「反社会的な行動」をあらためさせることができるか。それは、岸田首相が主導して旧統一教会の「反社会的な活動」の是正を直接求めることだ。そのために、宗教法人法の改正が必要ならば検討すべきであろう。

自民党の高市早苗前政調会長(現、経済安全保障担当相)のツイッターによれば、安倍元首相が銃撃されて死亡した後、高市氏は日本の「宗教法人法」とフランスの「セクト規制法」を読み込み、宗教関係の霊感商法対策として「宗教法人法改正案」の概要をまとめていたという。しかし、政調会で具体的に検討を始める前に、政調会長辞任が決まってしまった。

高市氏は、「(改正案は)残念ながらお蔵入り」と無念さをにじませているが、後任の萩生田光一政調会長は、ぜひこれを引き継いで検討すべきだ。

そして、岸田首相の指示で、旧統一教会の宗教法人格の認可を再審査するべきだ。場合によっては「宗教法人」としての認可を取り消すことも辞さないという強い姿勢を示し、旧統一教会側に変化を求めることでしか、この問題の現実的な解決はないと考える。

image by: Koshiro K / Shutterstock.com

上久保誠人

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

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