オリーブオイル、ごま油、米油、牛脂にラード。医師が明かす「良い油」は?

shutterstock_1605539143
 

健康に気を使う人たちが頭を悩ませるものの一つに「油」があります。体にいいとされるあまに油やえごま油は値が張るうえに加熱できないため、普段使いの油は何がいいのかよくわかりません。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、医師で糖質制限食の提唱者である江部康二先生が、日本食品標準成分表2015年版(七訂)を元に、意外にも植物性脂肪より動物性脂肪を安全と推奨。植物油の摂りすぎに注意が必要な理由を伝えています。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

初月無料で読む

家庭や飲食店で使われている油の食品成分。良い油は?

以前、日本食品標準成分表2015年版(七訂)を調べ、可食部100g当たりに含まれる成分・単位gを、一覧にしてご報告いただいたことがあります。とても参考になる情報です。復習がてら、確認しましょう。

オリーブオイルの一価不飽和脂肪酸は74.04gですが、ほとんどがオレイン酸で、73.30gです。牛脂の一価不飽和脂肪酸は45.01gですが、そのうちオレイン酸は41.0gです。ラードの一価不飽和脂肪酸は43.56gですが、そのうちオレイン酸は40.0gです。

一般に、オリーブオイルはヘルシーで健康的であり、動物性脂肪の牛脂やラードは、体に悪そうというイメージがあります。しかしながら、牛脂やラードの主成分は、オリーブオイルと同じく一価不飽和脂肪酸で、オレイン酸なのです。

日本脂質栄養学会は、動物性脂肪のほうが、植物性脂肪より安全という立場です。私も、動物性脂肪は安全と考えています。

一方、リノール酸は必須脂肪酸ではありますが、摂りすぎが問題となっています。ごま油、米ぬか油、大豆油など多くの植物油の主成分はリノール酸なので、少量に止めるのが安全です。現状の日本人のリノール酸の摂りすぎを是正することが急務です。

リノール酸摂取量を現在の高いレベルに保つことのメリットについては、科学的根拠がありません。リノール酸摂りすぎの害(心臓・脳血管系疾患、欧米型癌、アレルギー性疾患、その他炎症性疾患)については、動物実験のみならず臨床的にも明らかにされてきました。

あまに油とえごま油はα-リノレン酸が多くて、とても好ましく積極的に摂りたいものですが、高価なのが難点です。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

江部康二この著者の記事一覧

(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ 』

【著者】 江部康二 【月額】 ¥660/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火・金曜日

print
いま読まれてます

  • オリーブオイル、ごま油、米油、牛脂にラード。医師が明かす「良い油」は?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け