お金のプロが警告。退職金をつぎ込んではいけない7つの地雷投資

 

■退職金でやってはいけない投資その6:外貨建て保険

外貨建て保険は、保険料の支払いや保険金の受け取りが外貨で行われる保険です。米ドルや豪ドルといった外貨で保険料を支払い、保険金などの受け取りも外貨です。「外貨は金利が高いので、円建ての保険よりも高い利回りが期待できる」「元本が保証されている」などと、一見良さそうですが、これも注意すべき商品です。

というのも、外貨建て保険の「元本保証」は、あくまで外貨ベースでの話だからです。多少金利が得られたとしても、為替レートの値動き次第では、外貨を円に戻したときにそれ以上に損をする可能性があるのです。もちろん、為替レートの値動き次第で得することもあります。しかし、本稿執筆時点では歴史的に見ても1ドル140円と超円安水準となっています。市場の「平均への回帰性」を考えれば、今後円高になる可能性は高く、現時点で外貨建て保険を購入すれば、為替差損による損失可能性は高いといえます。

そもそも外貨建て保険は販売手数料の高い商品です。公表されていないケースも多いのですが、外貨建て保険は6~8%と、他の投資に比べてはるかに高い販売手数料がかかっています。それだけに金融機関の「勧誘」も熱心で、近年、国民生活センターへの相談件数が増加しているほどです。

■退職金でやってはいけない投資その7:「元本保証・無リスクで高リターン」商品に手を出さない

「元本保証で多額の配当金が手に入ります」「絶対儲かる投資を教えます」など、いかにも儲かりそうな(怪しげな)投資の情報は実にたくさんあります。高額な退職金を手にして気が大きくなっているところに「特別なあなたにだけ教えます」などと投資詐欺の魔の手がのびてくることも、決してないとはいえません。自分は大丈夫と思わず、十分注意してください。

一見明らかにおいしい話には、必ず裏があります。そもそも、「元本保証」といっていいのは銀行の普通預金や定期預金など、一部の商品に限られています。投資にはリスクがあります。リスクはリターンとトレードオフ(比例)の関係にあるため、「無リスク・元本保証で年10%」という商品は絶対にありません。

投資詐欺によく使われる商品・仕組みは、カジノコインリース、暗号資産関連、NFT、不動産投資(土地投資)、海外資産関連、私募ファンド、私募REIT、プライベートバンク、非上場株、未公開株など様々です。

百歩譲って、絶対儲かる投資商品があったとして、なぜあなたに教えるのでしょうか。自分で買っていればいいだけなのに教えるのは、決して親切心ではなく、何か裏があると用心すべきだ、というわけです。

プロフィール:頼藤太希(よりふじ・たいき)
Money&You代表取締役/マネーコンサルタント
慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。マネーコンサルタントとして、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『はじめてのFIRE』(宝島社)、『1日1分読むだけで身につくお金大全100』(自由国民社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書多数。日本証券アナリスト協会検定会員、ファイナンシャルプランナー(AFP)、日本アクチュアリー会研究会員。

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