花田が接待を受けていたかどうか、受けていたとすればどの程度だったのか、私は知らない。しかし、勝俣が団長のツアーに参加したのだから極めて近い関係にあったことは確かだろう。私は花田をジャーナリストや編集者だとは思わない。権力の宣伝マンだと思っている。彼にとっては、それが事実かどうかは問題ではないのである。雑誌に自分の名前をつけるのも上品な人間のやることではない。
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最後に、ある意味で花田批判ともなっている『広告批評』編集長、天野祐吉の言葉を引こう。同誌1987年6月号の巻頭言である。
原発の事故がもし起こったら、絶対安全を売りこんでいる原発の広告は、どうするつもりなんでしょう。やせ薬の広告がインチキだったとしても、「ウソツキ!」「ゴメン」でまアすみますが、チェルノブイリ級の事故が起きたら日本は壊滅状態ですから、「ゴメン」ですむモンダイじゃありません。もっともそのときは、ぼくたちもみんな死んでいるし、原発関係者も死んでいますから、文句をいうヤツもいないし、責任を問われることもない。原発は安全だとハンコを押している学者も、政治家も、経営者も、広告マンも、案外、そう考えているんじゃないでしょうか。核廃棄物のモンダイ一つとっても、いまや危険がいっぱいの原発を、この際すべて廃棄して欲しい。原発をかかえたままで「明るい明日」なんて、ありゃしません。そういうイミで、「明るい明日は原発から」。
花田はともかく「明日」など考えないマスコミは商人である。この商人はフェイクな情報で読者を扇動することを得意とする。
※ 文中敬称略
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