かつては統一教会叩きを煽動していた『月刊Hanada』花田紀凱編集長の見事な“改宗”ぶり

 

同誌10月号のメインは「安倍晋三元総理追悼大特集号2」。

編集後記で花田は

一日として安倍総理のことを思わない日はありません。ある日は電車の中で読者からのお手紙をよんでいて思わず泣いてしまい、またある日はかつてインタビューした時の録音を聞いて、在りし日々を偲ぶ。総理の携帯の電話をつい押してみたくなることも度々です。

と書いている。安倍の後を追って殉死するのではないかと心配になるほどの傾倒ぶりだが、そして花田は

安倍総理を貶めるためなら、どんなことでも書き立てる、朝日新聞などに負けるわけにはいきません。

と後記を結んでいる。

しかし、ちょっと待ってほしい。いま、繰り返し『朝日新聞』を批判している花田は、1996年秋に朝日新聞社が出した女性誌『UNO!』の編集長となったことがある。批判している『朝日』の禄を食んだことがあるのである。

花田にホンモノは求めないが、少しでも骨のある人間なら、そういう転身はやらないのではないか。やはり花田は「その日その日の出来ごころ」で動くのだと言わざるえない理由がここにもある。

『Hanada』には、河井克行の「獄中日記」も載っている。アノ河井である。また、佐藤優も「猫はなんでも知っている」を連載している。河井と佐藤は、いわば“Hanada仲間”だが、2人にはそれだけではない関係がある。佐藤が創価学会系の雑誌『潮』の2021年5月号で自ら告白している。

広島3区の河井克行議員が金権汚職で逮捕されたことには、私にも責任の一端があります。外務省時代から面識があった縁もあり、私は河井氏の選挙で推薦人を引き受け、応援演説にいったことがあるのです。私は軽々には推薦人を引き受けないことにしているのですが、河井氏が権力の魔性にとりこまれつつあることを見抜けませんでした。

『月刊Hanada』で佐藤は首相時代の安倍を次のように礼賛している。花田の意にそった連載なのだろう。

いまは非常時だ。新型コロナウィルスの嵐が去るまでは、民主的手続きによって選ばれた最高指導者である安倍晋三首相を断固支持すべきだ。客観的に見て、安倍政権の危機対応は合格点だ。

佐藤は極めて評判の悪かったアベノマスクにも関心したのか。次の指摘には開いた口がふさがらない。

安倍首相の指導で、首相官邸は外交にもきめ細かい目配りをしている。ただ、その実態をマスメディアが報じていないだけだ。

「ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ている」と歯の浮くような文句で呼びかけながら、結局、プーチンに手玉に取られた安倍が「外交にもきめ細かい目配りをしていた」と言うのだから、安倍礼賛もいい加減にしろと怒鳴りつけたくなる。

ところで、花田は2011年3月11日、東日本大震災で東京電力福島第一原発が大変な事態に陥った時、当時の東電会長、勝俣恒久が団長の訪中団に参加していた。

『噂の真相』の副編集長だった川端幹人が東電の接待を受けていた老舗週刊誌の編集幹部の証言を『タブーの正体!』(ちくま新書)で紹介している。

東電の場合、新聞、テレビは広報部が、週刊誌は総務部が接待を担当している。最初は東電の本社近くのしゃぶしゃぶ屋で会食するところから始まり、次は向島の料亭、さらには銀座の高級クラブへと。接待場所がどんどん豪華になっていく感じだった。一時期は、タイ人の女性がいる店外デートOKの店にもよく連れていかれたね。それから、担当記者や編集者が定年や移動になる際には、東電が主催する形で送別会が開かれるのが慣例になっていたね。

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