なぜ?オイシックスとコロワイドが「シダックス」争奪戦を繰り広げた訳

Baked vegetables, avocado, tofu and buckwheat buddha bowl. Vegan lunch salad with kale, baked sweet potato, tofu, buckwheat and avocado in a white bowl. Vegan concept.
 

工場菜園や人工肉しか、食せないヴィーガン(肉や魚、卵や乳製品を使った料理を食さない)に投資ファンドが着目した!!

シダックスの祖業は給食で、社員食堂、病院給食共に売り上げ上位10位以内に入っていますが、トップとの差は大きく、成長の伸びしろのある保育園や高齢者施設を含む有望な給食市場4兆円のシェアーを獲得するだけでは、プライム市場に上場の同社の企業価値は高い評価を受けません。

なぜならプライム市場での株価は今の給食市場を獲得できる可能性だけでなく、今後環境保全を見据えたSDGsへリンクする事業を展開する将来性に反応するからです。

シダックスがヴィーガンを掲げるオイシックスの関与により経営がかじ取りされることは、これから特にアフリカ、中国の中間層の人口増により増え続ける牛肉需要で品薄となる精肉の代替として、工場菜園の野菜や人工肉を提供できる流通ルートを確保することへ向けた、巨大なパイの層を獲得できる可能性も秘めています。

企業のパーパズ(存在意義)が環境保全を目的とすることが上場企業のビジネスの在り方となった今、投資マネーが、ヴィーガン志向のビジネスを展開するオイシックスが経営に関与するシダックスの将来性に向けて流れ込むのは間違いないでしょう。

ではヴィーガンは、単に上場企業が企業価値を向上させることで、投資マネーを呼び込むだけのツールでしかないのでしょうか?

ヴィーガン料理は美味しい!!次世代に支持されるかっこ持続可能なライフスタイルが環境保全を促す?

19世紀べジタリアンという言葉が英国で誕生し、20世紀半ばには原点に戻り動物性のものを避けるヴィーガンという呼称が生まれました。

その後米国で健康・環境意識の高いヴィーガンを志向する若者層が年々増加し、特にヴィーガンは食を切り口に「意外な素材から予想外の美味しさに巡り合える」料理となり、サーフィンや音楽という料理以外の分野とリンクすることで、持続可能を志向するライフスタイルが、憧れるファッションとなり始めました。

ヴィーガンは、SDGsを掲げる企業が投資マネーを流入させる打ち出の小槌になっている反面、実は、ヴィーガンは、ヴィーガンと知らず食べてみて、「美味しい!、これってヴィーガンなの?」という驚きから、自然な環境が育んだ食材は、体にもよくて、自身の健康を考える、気づきを醸成しています。

米国ではヴィーガン料理には使用できない素材があるため、オーナーシェフ達は様々な工夫を凝らし、フレンチを超えるヴィーガンメニューを世に出し、素材の風味を抽出した自然が放つ美味しさでヴィーガンを志向する消費者以外も魅了しています。

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