安倍元首相の要らぬ“置き土産”。日本という国を葬る6つの「負の遺産」

shutterstock_401825029
 

9月27日、非業の死から2カ月以上を経て行われた安倍元首相の国葬。その挙行にあたっては多くの国民から反対の声が上がりましたが、何がこのような状況を招いたのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、安倍氏が我々に残した負の遺産を列挙するとともに、それぞれについて詳しく検証。その上で、「安倍政治の特徴の1つ」を国葬への反対意見が多い大きな理由として指摘しています。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

初月無料で読む

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年9月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

安倍政治の悪き遺産の数々が折り重なって衰退が深まる/これではまるで「日本国の葬儀」ではないか?

考えてみると、いまこの国で起きている禍々しいことのほぼ全ては、安倍晋三元首相がその計8年8カ月の執政を通じて培い、貪り、最後は無責任にも放置したままにしたいくつもの「負の遺産」と深く関わっている。そのうちの5つか6つを取り上げて粗描するが、そのどれもが何らキッパリと決着をつけられないまま日本国にのしかかっているのでは、もはや沈没しかあり得ない。27日に行われるのが「日本国の葬儀」にならないよう祈るばかりである。

1.統一教会汚染

目下の最大焦点となっている旧統一教会の自民党に対する浸透工作の泥沼的実態を作り出した張本人は、岸信介から安倍までの岸・安倍家3代であり、その意味では安倍があのような非業の死を遂げたのはまさに因果応報と言うほかない。その核心部分の解明は点検対象から外し、そればかりか国の名において早々に葬って蓋をしてしまおうというのでは、国民の反感を買って当然である。

本誌が繰り返し強調してきたことだが、これは一部の寝呆けた論者が言うような「宗教と政治の関わり方」とか「信教の自由」とかに関わる「微妙な問題」などではあり得ず、また霊感商法で深刻な被害を出している「反社会的団体」の問題にも止まらない。統一教会は、言うまでもなく韓国発祥で、1960年代には朴正煕政権=金鐘泌KCIA初代長官の手先として「対米・対日政治工作」に従事した政治謀略機関であり(米下院フレーザー委員会の1978年報告書)、しかも宗教的な教義の中に日本は悪魔の国であり戦前には韓国を支配し搾取したのだからどんな手段を弄して日本人から金を搾り取っても構わないことを明記している極端な「反日組織」である。

その反日政治謀略工作機関が自民党を中心とした日本の政界に深々と浸透するのを幇助したのが、戦後の2人の首相を含む岸・安倍家3代であるというのは、ちょっと今までに類を見ないスキャンダルで、簡単に蓋をして知らんぷりを決めこむことなど出来はしない。今後もますます野党、市民運動、週刊誌などメディアの発掘的調査が続き、とりわけ来春の統一地方選に向けて地方議員に対する浸透工作の実情が暴かれていくと、その地方選の臨む約1万人の自民系議員が軒並み落選し、それだけで岸田文雄首相が(まだ政権が続いていればだが)総辞職を迫られることにもなりかねない。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • 安倍元首相の要らぬ“置き土産”。日本という国を葬る6つの「負の遺産」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け