統一教会をとことん擁護。自民が重用するエセ保守論客・八木秀次氏のトンデモ論考

 

一段落読むごとに、幼稚すぎて簡単に論破できてしまう八木だが、なによりも仰天したのは、統一協会が信者から巻き上げた献金に対する認識だ。

70代女性が、数年間で1,000万円超を献金し、全国弁連の支援で900万円の解決金を受け取って示談が成立したというケースがあったが、八木は次のように解釈。

先祖の因縁を引き合いに不安をあおる献金方法に抵抗感を覚えるが、女性の献金額は差し引き数年間で100万円だ。この程度の献金額は他の宗教団体でも聞く話だ。

ええー!?

度肝を抜かれた。たまたま運よく示談が成立したから900万円が戻ったが、そうでなければ「霊感商法で1,000万円吸い上げられていた」という話ではないか。その重要な部分をまるっと無視して、“示談後”の差し引きの金額を「この程度の献金額」と言ってしまう八木の異常性!

弁護士に相談することさえなく、もっと莫大な金をだまし取られている人がたくさんいそうだという想像も働かないのだろうか。そもそも献金の手口に問題があったから、この女性のようなケースが報告されているという問題点すら理解できないようだ。

旧統一教会は宗教法人としての認証を受け、現在も取り消されていない。2009年に関連会社の社長が客を不安に陥れて印鑑などを高額で売りつけたとして特定商取引法違反で有罪判決を受けた。
 (中略)
教団はその後、コンプライアンス宣言した。問題は、その後どうなっているかだ。現在も犯罪行為を行っているなら、宗教法人格の取消や解散命令を検討すべきだ。メディアもそれを主張すべきだ。逆に犯罪行為がないなら非難は不当だ。

勅使河原のような横柄な選民意識バリバリの人間が「改革本部長」を名乗って登場したのに、誰がカルトの「コンプライアンス宣言」なんか信じるか!

……と思ったら、まるっと信じている八木がここにいた。

本来なら、違法な霊感商法で有罪判決が下った時点で、宗教法人としての認証を取り消されていなければならなかったという話だろう。献金問題に関する訴訟は現在も行われており、それらが解決しない上に、公安の調査対象にもなっていないという超危険な状態だ。ここに着目できない八木の瞳は、どこを泳いでいるのだろう。

そもそも八木は、皇統を断絶に向かわせる「Y染色体カルト」を吐き散らかしてきた人間だ。統一協会の「反日・反天皇カルト」とは非常に親和性が高い。この論考を最後まで読んだ私の中には、「八木って統一協会のステルス信者なのでは?」という疑念が濃くなってしまった。

こんな男を「有識者」「専門家」として重用してきた自民党にも大きな問題がある。政治家は、統一協会と縁を切ると言うのなら、このカルト論者ともすっぱり手を切れ!

(『小林よしのりライジング』2022年9月27日号より一部抜粋・文中敬称略)

gs2022

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