クリミア大橋破壊にプーチン激怒。世界が払わされる高すぎる代償

us20221013
 

プーチン大統領が70歳を迎えた10月7日の翌日早朝、何者かの手により爆破されたクリミア大橋。ロシアはこれをウクライナによるテロと断定し同国全土に攻撃を加えましたが、さらなる報復としてプーチン大統領が「人類にとって最悪の手段」を選択する可能性もあるようです。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』ではジャーナリストの上杉隆さんが、クリミア半島がプーチン氏にとっていかに重要な地であるかを解説。その上で「大統領が合理的な判断を放棄することがないとは言い切れない」とし、核兵器を使用しかねないプーチン氏に対する強い懸念を記しています。

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【核戦争の引き金】クリミア大橋爆破でプーチンはどうするのか?

10月8日早朝、巨大な火炎とともにクリミア大橋(ケルチ海峡大橋)の一部が崩れ落ちた。全長19キロメートル、ロシア本土とクリミア半島を結ぶ要衝の橋である。巨大な爆発は、橋桁を吹き飛ばし、走行していた貨物列車を炎上させ、少なくとも3名の命を奪った。

10月7日、この日はプーチン大統領の70回目の誕生日であった。BBCによると、ロシアの独裁者のもとにも高価で前例のないプレゼントが贈られたようだ。

タジキスタンからはメロンの山、ベラルーシからは最新型トラクター、そして、戦火を交えるウクライナからのプレゼントだけは異質だった。翌早朝「プーチンの愛する橋(クリミア大橋)の爆破」という祝砲が届けられたのだ。

「これは始まりにすぎない」(ウクライナのポドリャク大統領顧問)

爆発後、ロシア政府はウクライナのトラックによる自爆攻撃を示唆している。米紙ワシントンポストもウクライナの諜報機関による犯行だという見方を示している。

Putin’s bridge of dreams explodes in flames

一方で、ウクライナ側はロシア情報機関のFSBの関与を疑い、内部対立による自演自作だと反論しているが、同時に、ゼレンスキー大統領は爆発後の演説で「きょうのウクライナは全国的に晴だった。残念ながらクリミア地方は曇りだったが、温暖であり、その未来は占領者を追い払ったゆえに快晴だった」と述べ、犯行を示唆するような素振りをも見せている。

Наше майбутн? ? сонячне. Це майбутн? без окупант?в. Звернення Володимира Зеленського 08.10.2022

少なくとも、今回の爆発は事故ではないということで両国の意見は一致している。となると、クリミアをめぐる未来への代償は、ゼレンスキー大統領が考えるほど楽観的ではないといえるだろう。

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