「女子中学生髪切り事件」の被害者宛に届いた“嫌がらせ年賀状”の写真と文面

 

編集後記

どこかで見たことがあります。真の国の豊かさの指標は、経済でも優れた社会的システムでもないというのです。真の豊かさは、「弱者に対していかに手厚いか?」だというのです。

もしも、これが真の基準であれば、日本という国はどうでしょう。

私も最近、ものすごい誹謗中傷を浴びました。表面上は落ち着きましたが、調べを進めて確証を少しづつ得ています。それについては、いずれ明らかになると思いますが、私も被害を受けたとき、両親の死などで私の精神状態が良くない時を狙われたこともあって、本当にこうなると人は死を意識するのだということを知りました。

周囲からは鉄の心と言われている私ですら、そこまで落ちたわけです。そうでない人がと考えたら、ぞっとします。こういうことに加害行為を実行する者、それを指示する者などは思いがめぐらないのでしょうね。その残酷な仕打ちは一生心に残ります。

あのとき、私は色々な人に支えてもらいましたが、本来機能するはずの行政の動きの悪さや相談対応の悪さなどは、その最悪の心の状態をさらに貶めるものであったというのが私の率直な感想です。

だから私の体験からしても、相談を受ける被害者の皆さんの話からしても、弱者になったときにはじめて、「あー、あるのは見せ掛けの仕組みか」と思えるほど、手厚さは感じないということです。そうでない人もいるでしょうが、きっとそれは運が良かっただけだと思います。

被害者というのは、自動で誰かが守ってくれるわけではなく、何か仕組みがあっても、被害を自ら証明したり、強く冷静に主張しなければなりません。しかし、被害を受けていれば、冷静になるのは難しいし、強く主張することも難しいのです。

よくヘルプの出し方とかSOSの出し方が悪いという人もいますが、実際に被害を受ければわかります。その論調がいかに本末転倒で心が無いかということが。

本来必要なのは、アウトリーチです。

被害者は弁護士さんを探すのも大変です。なんとか見つかっても、お金もかかれば時間も手間もかかります。いじめ被害の保護者の中には仕事を辞めた人もいます。

そうやって、被害者ばかりが苦労をするのが、現実です。その上で、被害者は目立てば目立つほどバッシングも喰らうし、プライバシーも侵害されます。

真に日本が豊かであるならば、被害者を支援する仕組みやオンブズマンやアドボカシーが制度化されていてもよいと思います。

なぜかプライバシーの話になると、加害者のプライバシーの話に偏るのかわかりませんが、被害者のプライバシーこそ守られるのが大前提だと思うのです。

いつも私は被害者の横にいたり盾になっていたします。はしごを外されたり、後ろから刺されることもありますが、人間は弱いのだから仕方がないと思うようにしています。

私が居なくなったら困るという人たちから、辞めないでといつも声をかけられていますが、私もそろそろ現場は引退を考える時期かと思ってます。とはいえ、現場も全部やるという立場ではなく、人材を育成し、現場は彼らに任せてその監督をするような立場になった方が、より多く、より広く活動ができると考えてことです。

そこで、NPO法人ユース・ガーディアンでは、12月予定で「いじめGメンプロジェクト」という人材育成プログラムをはじめます。

初回の基礎講座はWEBからも受けられるように調整中です。志のある方はぜひともご参加いただきたいと思っています。

いじめGメン育成プロジェクト

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