質問4 徴兵逃れについて
兵役は、国民皆兵だけど、逃れる方法は多々あると聞いたことがあります。賄賂とか、病気を装うとか、学生、特に、特定の分野の学生は免除、あるいは、逆に特定の分野の学生は優遇措置の上、課されるとか、いろいろ、あるはずです。兵役のこともぜひ、取り上げていただきたいです。
回答4
「医者に賄賂を払って病気にしてもらい、徴兵を回避できた」という話は、昔よく聞きました。しかし、最近は、厳しくなっているようです。医者が証明書を出しても、再検査してウソがあれば、医者の責任が問われることになります。
徴兵を逃れる王道は、「ヴァイイェンナヤカフェドラ」（軍事科）のある大学に入学することです。「軍事科」がある大学では、学生たちが、週1で軍事の学習をします。それをもって「徴兵期間を終了した」とみなしてもらえるのです。
現在行われている「動員」についても触れておきましょう。IT系のスペシャリストや学生は、動員されないことになっています。しかし、現場のミスで動員されてしまうこともあるようです。
「動員逃れ」は方法があり、知識さえあれば比較的簡単にできます。ロシアでは、「召集令状は、召集される本人に手渡ししなければならない」という決まりがあります。そのため、本人がどこかに潜伏し、収集令状を渡せない状況をつくれば動員されません。それで、ダーチャ（郊外の別荘）に隠れたり、実家以外のアパートに住むなどして、動員逃れをしている人がかなりの数います。
質問5 スノーデンについて
スノーデンさんなどは、どうなるのでしょうね。奥様はアメリカ人とお聞きしています。ご本人はロシアの国籍を取得したとか。アメリカは、国籍は、生地主義なので、奥様が出国してアメリカで産まない限り、お子さんはロシアの国籍になってしまいますよね。まぁ、当然、出国なさって、ご出産なるはずではありますが。こういったことも、触れていただきたいです。だってスノーデンさんは、アメリカには帰れないでしょうから、お子さんが男の子なら、つまり、兵役に取られますよね。いくらなんでも、ウクライナ戦争は、お子さんのご成人まで続かないでしょうけれど。それとも、スノーデンさんは、ロシアのパスポートを持ち、こっそりと、出国されたのでしょうか。
回答5
NSA、CIAに勤務経験を持ち、NSA、CIAの内部を暴露したスノーデンは、ロシアでは「英雄扱い」です。もう一人、ウィキリークスのアサンジも、英雄ということになっています。
ロシアは、アメリカと戦っている。そして、スノーデンがしたことは、「情報戦」的にロシアの国益を利するものだったのです。
2013年8月、スノーデンは、ロシアに亡命しました。2022年9月、ロシア国籍を取得しています。
スノーデンは、アメリカ人リンゼイ・ミルズさんと結婚し、子供が一人います。お子さんは、男の子とのことで、普通であれば将来徴兵されるでしょう。
以上、読者Aさんの質問にお答えしました。
私は、ありとあらゆる面から、「日本に完全帰国してよかった」と感謝する日々です。
（無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年11月2日号より一部抜粋）
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